<イベントレポート>
2025年3月25日 神戸インデペンデンツ×神戸大学Catapult Pitch Vol.9
@ 神戸大学ダイセルOIホール
+ Zoom ウェビナー配信
■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/759
特別セッション『神戸のイノベーション創出機関としての神戸大学の役割』
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神戸大学の概要
11学部において、学生数11,460人、大学院4,539人、教員数1,585人を有する総合大学です。*2024年5月時点。また、先端バイオ工学研究センター、先端膜工学研究センター、医工連携、システム情報学、海事科学、農学など特色ある15の研究科がシームレスな連携により成果を上げています。
産官学連携本部
①スタートアップ育成
起業教育から資金調達まで一貫したスタートアップ支援。神戸大学起業部、GAPファンドの運営を行う。
②知財ライセンス
専門人材による発掘・目利きと知財戦略を提供。
③オープンイノベーション
包括連携協定による大型共同研究と人材交流を組織的に推進する。
株式会社神戸大学イノベーション(KUI)
2020年3月に神戸大学100%子会社として産学連携部門の実働部隊を独立、専門人材を育成する。研究成果のライセンスや企業等との共同研究、スタートアップ創出を三本柱と位置づけ、企業との包括連携協定や、神戸大学発ベンチャー117社(2024年10月現在)の支援も行う。地域自治体とも連携し、医工連携やバイオものづくりを軸に、地域中核大学として関西や全国へのイノベーション展開を目指しています。
株式会社神戸大学キャピタル(KUC)
2021年にKUIの子会社として設立。2023年1月に民間資金のみで1号ファンド22億円を組成。創薬・医療のディープテックスタートアップを中心に18社(うちリード2社)に投資する。全国からスタートアップが集まるエコシステム構築を目指し、60億円規模の2号ファンド立ち上げを計画する。
神戸大学におけるスタートアップ支援の課題と解決策
松本:産学連携本部からKUIを切り出した目的は何ですか。
河上:主目的は専門人材の育成です。大学本体では予算制約や任期付き雇用が多くなりますが、法人化により安定した雇用で若手を育て、企業ニーズと研究のマッチングを推進する体制を構築していきます。
松本:ディープテックスタートアップの事業性評価の難しさはどこにあると思いますか。
水原:PoCのサイクルが長く、リスクが高い点です。開発リスクは許容しつつ、事業継続性などのリスクを最小化する戦略が求められます。
松本:大学が稼ぐ力というのはどうやったらつけられますか。
河上:社会実装の対価として外部資金やロイヤリティを獲得し、基礎研究から応用研究まで循環する仕組みが理想です。稼ぐ力がない大学の生き残りは難しくなります。
松本:地域企業との連携はどのように進めていますか。
河上:中小企業との共同研究も多数あります。大小ありますが、平均すれば300万円前後です。
松本:アメリカの大学のように資金的に独立した運営は可能でしょうか。
水原:アメリカの大学は授業料、運用益、知財、外部資金で収益を上げています。日本では知財活用と還元ルールの確立が必要です。
河上:KUIとしては、知財活用とエコシステム強化を進めることで可能性はあると思います。
水原:KUCとしては、新たに設立する2号ファンドでその第一歩を踏み出していきたいと考えています。
松本:そのためにはIPOによるexitだけでなく海外M&Aも一つだと思いますが。
水原:バイオ系では海外拠点の設立が不可欠で、設立時からFDA承認を目指す動きもあります。
※「THE INDEPENDENTS」2025年5月号 P.6-7 より
※ イベント開催時点での情報です