『ENSOU』 -AI時代のカスタマーサポートプラットフォーム

株式会社Digeon 代表取締役 山﨑 祐太 氏

■ 神戸大学発ベンチャーとしてAIによる受託開発とSaasプラットフォームを開発

 「AI is eating software」という潮流の中、当社は「広く使われるAIを届ける」ことをビジョンに掲げ、AI×コミュニケーション領域に特化したAI企業として、顧客接点・社内コミュニケーションの業務課題の解決に取り組んでいます。企業の特定の課題を解決する「DXパートナー事業」で培った高度なAI技術とノウハウを基盤に、より広範な企業課題を解決する「AI SaaS事業」として『ENSOU』というサービスを展開しています。この2軸戦略により、技術検証とスケーラブルな事業展開を両立させています。

■ AIネイティブなCSプラットフォーム『ENSOU』の革新性

 現場のカスタマーサポート業務では、メール、「返信漏れでクレームになった」「同じ質問に毎日答えている」「FAQを作る時間がない」といった課題が顕在化しています。また、FAQを整備したくても時間が足りず、対応履歴の活用も不十分なため、問い合わせ数が減らず、同じ質問への対応が繰り返されてしまうのが実態です。

 『ENSOU』は、「問い合わせをコストから付加価値へ変える」をコンセプトに、問い合わせの自己解決と有人対応のAI Agentによるサポート機能を提供しているサービスです。『ENSOU』を導入することで、問い合わせ対応をしているだけで、FAQが自動生成され、チャットボットが学習し、次回以降の問い合わせは“人を介さずに”解決されていく。この“問い合わせ削減サイクル”により、使えば使うほど対応コストが減っていく仕組みです。手間のかかるマニュアル整備やFAQ管理からCS担当者を解放し、顧客満足度を高める“本来注力すべき業務”へ集中できる環境を実現します。

お問合せ削減と効率的な対応のサイクルを回すAI時代のカスタマーサポートプラットフォーム『ENSOU』

■ 急成長するAI市場を獲得するための成長戦略

 ターゲットとするAIシステム市場、SaaS市場、ITサービス市場は、AIの浸透により今後さらなる拡大が見込まれています。当社は『ENSOU』の提供を通じて、これらの巨大市場におけるシェア獲得を目指します。

 シリーズAで2.1億円の資金調達を計画しており、エンタープライズ導入向け機能開発、セキュリティ強化、チャネル連携拡充などのプロダクト進化を加速します。あわせてBPO業界の市場を獲得するため、自社でBPO部隊を備えて提供することを計画しながら、事業成長を目指します。

 

 

 
コメンテーターより
(株)AGSコンサルティング 顧問 小原 靖明 氏
 

 これまでの受託開発においてAIソリューションをカスタマイズして提供してきたノウハウをAIパッケージ化して、広くAI技術を提供する「AI Saas ENSOU」への展開を図るとのこと。product の完成を早く見たいところです。
 事業計画発表会では、これからの開発プロセス、資金調達等の詳細までは発表されませんでしたが、インデペンデンツで継続的に発表して頂き、「神戸大学発ベンチャー」としての活躍を期待しています。

(株)AGSコンサルティング 顧問 小原 靖明 氏



※「The INDEPENDENTS」2025年5月号 - P.9 掲載