血糖値データ解析で女性の健康課題を解決するフェムテックサービス

株式会社SympaFit 代表取締役 加治佐 平 氏

 

■ 妊活〜出産後まで、血糖値解析でトータルサポート

 当社は、血糖値データ解析を用いて女性の健康課題を解決するフェムテックサービスを展開する企業です。

 共同代表の加治佐平氏は、東洋大学での「血糖値からメンタルを読む」技術を用いて、プロアスリートの極限状態におけるパフォーマンス向上をサポートする「SympaFit for Athlete」を展開していました。この過程で、女性アスリートのデータ分析を通じて、血糖値と女性ホルモンの変動に強い相関があることを発見。この知見を活かし、妊活から出産後までをトータルサポートする新サービス「SympaFit for Mom」の開発に着手しました。

SympaFit for Mom 概要SympaFit for Mom

■ 女性の健康を科学する 「SympaFit for Mom」

 「SympaFit for Mom」は、2週間継続して装着する血糖値センサーからデータを取得し、独自のアルゴリズムで解析することで、従来の基礎体温測定や排卵検査薬では難しかった高精度な排卵日予測を実現します。センサーを装着するだけで自動的にデータが収集され、従来は36時間以内の予測に限られていた排卵日の予測が3〜4日前から可能になります。また、体調やストレスの影響も加味し、従来のように単一データのみに依存する予測方法と比べ、より正確な予測が可能です。

 さらに、このサービスは妊活期から妊娠期、産後までを一貫してサポートする設計となっています。例えば、妊娠期には妊娠糖尿病の予防管理を、産後には産後うつ予防のためのメンタルヘルスケア等のサービスを予定しています。

排卵予測プログラム

■ 妊活女性に寄り添う『SympaFit for Mom』の未来ビジョン

 国内の妊活女性は年間230万人、妊娠女性は年間90万人と推計されており、SOMは国内で1,200億円規模に達します。「SympaFit for Mom」は現在、複数の産婦人科クリニックと連携して臨床研究を実施しており、収集したデータをもとにアルゴリズムの制作を進めています。また、広島県DX推進実証事業や経済産業省「令和6年度フェムテック等サポートサービス実証事業」にも採択されました。2025年7月にアプリをローンチし、産婦人科クリニックを通じた自由診療モデルへと展開していきます。将来的には各種医療認証を取得し、海外展開を視野に入れています。

血糖値データ解析の競争優位性

 

コメンテーターより・・・

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表弁護士 鮫島 正洋 氏  

 同社は血糖値を用いて女性の生理的な周期を検出し、妊活その他に役立てるというビジネスモデル。

 一見すると、ありふれているように思われるが、実は血糖値と女性ホルモンの関係性自体が最先端領域で、POCが成功するとかなりイノベーティブなビジネスであることを感じた。言うまでもなく、社会的なニーズもあり、その優位性を維持できるような知財戦略が実現できれば、バリュエーションも上がるように感じた。

 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 代表弁護士 鮫島 正洋 氏

 
※「The INDEPENDENTS」2025年3月号 - P.8 掲載