走行中給電を可能にするワイヤレス給電

株式会社パワーウェーブ 取締役副社長 種田 憲人 氏

■ 電界結合によるワイヤレス給電

 弊社は、電界結合方式を用いた新しいワイヤレス電力伝送技術を基礎に、電動モビリティに対し停車時の広範囲自動充電や走行中の動作中給電を可能とする技術を提供します。前身となる豊橋技術科学大学の研究室より15年の年月をかけて培ったこの給電技術により、電動化社会において「充電をする」という概念を無くすことを目指しています。また、モビリティと発電所・電力系統がワイヤレスでつながり続けることで、電力の需要側での制御を可能とし、エネルギー提供の最適化に貢献します。

■ 事業連携でエネルギー提供の最適化を目指す

 ワイヤレス給電技術はさまざまな事業者と繋がり続ける事が成長発展には重要だと思っています。物流・物流関連会社、製造業者に対しては、施設内の充電待機エリアの開放やロボットオペレーションの効率化が期待されます。モビリティ関連会社に対しては、ワイヤレス給電システムを製品に組み込むことで、ユーザーに便利な充電環境を提供できます。ワイヤレス給電で、発電所や系統と繋がることで、エネルギーのやり取りをコントロールすることができる世界を目指しています。

■ 1.5兆円とされる世界のワイヤレス給電市場にアプローチ

 弊社は、ワイヤレス給電の送受電ユニットを電力毎に製品シリーズとして提供します。特に、マイクロモビリティなどに向けた50W帯、ロボットや無人搬送車に向けた1kW帯、産業用機器等に向けた4kW帯、そしてEVに向けた10kW以上を対象に段階的に市場へ製品を販売していくビジネスモデルを軸に準備をしています。また、それらの提供は外付けしていただく製品と、メーカー等と連携した内蔵式の製品で用意をしており、提供方法に応じて、製品としての販売以外に共同での開発や付帯サービスなどをご検討いただけるようにしております。

 

電気自動車の未来電気自動車の未来

エネルギー提供の最適化を目指すエネルギー提供の最適化を目指す

製品化への取り組み事例製品化への取り組み事例

 
 

コメンテーターより・・・

弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 稲垣 紀穂  

 パワーウェーブ様は、電界結合によるワイヤレス給電の分野で既に複数の特許を出願されており、着実に自社の知財の保護に取り組まれているという印象を持ちました。

 今後は、海外の事業者も含む様々な分野の協業先との共同開発・共同研究を通じて、多種多様な成果が創出されることが期待されます。パワーウェーブ様が、これらの成果の社会実装を、自社の知財保護と両立しつつ展開できるよう、心から応援しています。

 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 弁護士 稲垣 紀穂 氏

 
※「The INDEPENDENTS」2025年2月号 - P.17 掲載