感情認識AIで第五次産業革命(インダストリー5.0)への扉を開く

株式会社ロジカ・エデュケーション 代表取締役 CEO 関 愛 氏

■ プログラミング教育

当社は、プログラミング教材開発と教育事業を主軸に、全国180教室でプログラミング教育を展開し、これまでに100万人以上の子どもたちに教育機会を提供してきました。

代表取締役の関愛氏は、経済的な理由で高校には通えなかったものの、独学でプログラミングを習得しました。18歳で起業し、19歳で経済産業省から「天才プログラマー/スーパークリエータ」の認定を受けています。その後、大手有名企業の研修講師として活躍し、プログラミング教育事業を立ち上げました。

■ 新規事業

当社は今回、人の感情を理解し適切な反応を返すAIシステムを開発しました。このシステムは、カメラを通じて人の脈拍や体の動きといった生体反応を測定し、集中度や理解度、ストレス状態などを分析します。これらのデータを生成AIに与えることで、ユーザーの感情に寄り添ったメッセージを自動生成することができます。この技術は既に特許を取得しており、PCT国際出願により158カ国での権利化も進めています。

本システムの活用領域は広く、教育分野では学習者の理解度に応じた個別最適化学習の実現、企業では従業員のストレス管理や営業支援、医療・介護分野では患者とのコミュニケーション支援などが想定されます。すでに大阪府池田市役所での実証実験や、大手企業のマーケティング活用、自動車メーカーとの協業検討などを始めています。

世界の感情検出・認識市場は2029年までに1400億ドル規模まで成長すると予測され、当社は、市場で最大10%のシェア獲得を目指し、ライセンスビジネスを展開する方針です。これまでにファンディーノを通じて2回、各5000万円の資金調達に成功しており、現在は特許収益のレベニューシェアによる新たな資金調達も計画しています。

ロボット革命や汎用人工知能(AGI)の実現をはじめ、第五次産業革命を牽引する日本企業として、今後も開発を進めていきます。

 

 
 

コメンテーターより・・・

 

 関社長が2018年に設立したロジカ・エデュケーションは、これまでの間、教室およびNEC・日教販と連携しプログラミング教材を開発・販売する企業と認識していました。
しかしながら事業計画発表では「生体反応(感情に寄り添う)」に対応するAIアシスタントの開発に成功し、全世界158カ国で特許を取得中であると発表されました。となれば今後、教材開発・研修企業からAIビジネスを展開する企業への転換する具体的な事業計画も見たくなります。
今後も継続的に登壇頂き、大きな発展を期待します。

 (株)AGSコンサルティング 顧問 小原 靖明 氏

 
※「The INDEPENDENTS」2025年1月号 - P.7 掲載