「東京プロ市場からのステップアップ上場」
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フィリップ証券株式会社
引受部長 脇本 源一さん
大和証券および楽天証券で17年間公開引受実務に携わるとともに、日本国内およびシンガポールのベンチャー企業で上場実務に携わる。シンガポールCatalist市場における上場実務経験を生かし、現在フィリップ証券で東京プロ市場を中心としたCorporate Finance業務を行なっている。
所在地:東京都中央区日本橋兜町4番2号 TEL:03-3666-2101(代)
http://www.phillip.co.jp/
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―東京プロ市場は「新興市場の予備校」まず強調したいのは、TOKYO PRO MARKET(以下、東京プロ市場)はマザーズやJASDAQなど既存の新興市場と比較するものでも、代替するものでもないということです。東京プロ市場は既存市場へ上場する一歩手前の企業を対象とし、上場手続きや維持に係る負担も比較的小さく抑えられています。東京プロ市場上場を通じて「東証上場企業」というステイタスを得て、更なる成長を遂げてもらうための第一ステップとして設計されています。例えるならば、大学受験(本則市場)をするための予備校(東京プロ市場)としての位置付けにあります。
―6ヶ月で上場できるスピード感
東京プロ市場には上場基準も取引所の審査もありません。J-Adviserの審査を通過すれば上場できるので、準備開始から上場するまで6ヶ月以内で終えることも可能です。監査証明は1期分必要になりますが、遡及監査を受けるケースも増えてきています。審査期間の短さに懐疑心を持たれる方も多いかもしれませんが、海外の主要新興市場ではこれが普通です。そういう意味で、東京プロ市場はまさにグローバルスタンダードな市場と言えるでしょう。
―Pre-IPOで必要資金を調達する
東京プロ市場への上場を前提とすれば、Pre-IPO(上場前の第三者割当)での資金調達が期待できます。現在準備中の会社の全てが2?5億円程度の資金調達に成功しています。資金調達は上場前に行い、上場して信用力を高め、そして成長を遂げる。これぞ、IPO市場を活用したベンチャー支援の理想的な姿だと考えています。
―「東証上場企業」としての信用力
東京プロ市場に上場すれば、れっきとした東証上場企業になります。既存市場と変わらず上場セレモニーが行われ鐘を鳴らすこともできますし、名刺に「東証上場」のロゴマークを入れることもできます。このステイタスを自ら積極的に活用することで成長が加速され業容拡大・上位市場への上場を早めることも可能です。
―東京プロ市場上場に適した企業
・既存市場への上場にはまだ時間がかかるので、まずは少しの資金調達と上場ステイタスを得て、成長を加速させたい。
・製品/技術力/ノウハウ等はNo1だが、未上場会社であるが故、信用が低く、営業(顧客獲得)面で苦労している。すぐにでも「上場企業」という看板が欲しい。
・今後の事業展開は、国内だけでなくアジア(海外)へも積極的に行っていきたい。
・将来はシンガポール・香港等の海外市場に上場したいので、そのファーストステップとして国際市場である東京プロ市場に上場したい
【連載27】プロ投資家市場AIMへの期待(秦信行)
【講演】「新しいベンチャー企業の成長モデル?東証PRO-Market市場を活用した資金調達と上場」
※全文は「THE INDEPENDENTS」2013年4月号 - p12にてご覧いただけます