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「特別セッション『地域のスタートアップ業界におけるオープンイノベーションへの期待』」

 <イベントレポート>

2024年11月8日 広島県チャレンジ企業セミナー
@ イノベーション・ハブ・ひろしまCamps
+ Zoom ウェビナー配信

■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/742

         
プラチナバイオ株式会社
共同創業者・
代表取締役社CEO
(広島大学ゲノム編集
イノベーションセンター客員教授)
奥原 啓輔 氏 
  常石商事株式会社
事業投資部部長
鯉江 洋輔 氏
株式会社エル・ティー・エス
執行役員
(イノベーション・ハブ・
ひろしまCamps
スタートアップアドバイザー)
星山 雄史 氏
(モデレーター)
株式会社広島ベンチャーキャピタル
代表取締役社長
西岡 賢 氏
 

特別セッション レポート

■プラチナバイオ株式会社 共同創業者・代表取締役社CEO 奥原 啓輔 氏

 当社は「バイオテクノロジーで未来を拓く」をビジョンに掲げ活動する広島大学発スタートアップです。私が広島大学で産学連携の仕事をしたことをキッカケに、ゲノム編集のトップ研究者である山本卓教授と共同創業しました。プロダクトの一つとして食物アレルギーの課題に取り組んでいます。食物アレルギーの3分の1が「卵」であることに着目し、アレルゲンをなくした卵を開発しています。また、ツネイシカムテックスと連携し産業廃棄物を処理する際に排出されるCO2を微細藻類の力で有用な油に変換する取組も行っています。

 上記の事例のように当社は大企業との共創を多く経験してきました。スピード感を持ってまず事業をスタートさせて改善を繰り返すスタートアップに対し、大企業は検討に検討を重ねてスタートするという文化の違いなどに直面しますが、相手の状況をしっかりと理解し柔軟に対応することで乗り越えてきました。このノウハウを活用して現在東南アジア展開においても相手の文化に適応しながら事業を進めています。また、相手の研究開発チームとの連携から開始することが多く、その先で事業展開する際、経営層と合意を得ることが重要になってきます。

 

■常石商事株式会社 事業投資部部長 鯉江 洋輔 氏

 スタートアップとの連携として、自社のファンドを通じて株式会社ホールエナジーの発行済株式90.1%を取得した事例を紹介します。株式会社ホールエナジーは電力オークション事業、カーボンクレジット事業を行うスタートアップで、当社の再生可能エネルギーの販売・システム開発を行うエネルギーソリューション事業との親和性を感じたため、出資に至りました。スタートアップと連携することで、グループとしてエネルギー事業のポートフォリオ組み替えや脱炭素に挑戦しています。

 大企業がスタートアップと連携する際、すぐには成果が出ずとも、中長期的に良い影響をもたらすことを説明し周囲を巻き込んでいく調整力が非常に重要になってきます。

 常石グループは新たな事業の種となるスタートアップを探し成長を支援することで、スタートアップと共に持続的に成長することを志しています。

 

■株式会社エル・ティー・エス 執行役員 星山 雄史 氏

 私は広島県「Camps」の運営によりコミュニティの形成と「PANORAMA」というプロジェクトを通して実証実験を通して広島県として起業家を支援する「HIROSHIMA UNICORN 10」などにつなげ、地域一体となってスタートアップを支援する環境づくりを進めています。

 

■株式会社広島ベンチャーキャピタル 代表取締役社長 西岡 賢 氏

 今年の7月にHIROGIN HOLDINGSとしてCVCファンドの設立を行い、銀行グループでスタートアップとの連携強化を進めております。

 11月19、20日には広島県初のオープンイノベーションイベントの開催にも至りました。多くの地域の事業会社がスポンサーとなり、126社のスタートアップが集うイベントです。ここから支援者やスタートアップの繋がりが活性化し、広島が変わっていくことを期待しています。

 

 

左から、星山氏、鯉江氏、奥原氏、西岡氏 経済産業省 中国経済産業局
地域経済部イノベーション推進課
係長 仲田 亮 氏
会場の様子

※「THE INDEPENDENTS」2024年12月号 P.4-5 より
※ 冊子掲載時点での情報です