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「特別セッション『岐阜のスタートアップ動向』」

 <イベントレポート>

2024年9月20日 岐阜インデペンデンツクラブ
@ OKB SCLAMB
+ Zoom ウェビナー配信

■ イベント詳細 https://www.independents.jp/event/740

         
株式会社eiicon
執行役員・
地域戦略事業本部
本部長
伊藤 達彰 氏
  一般社団法人
岐阜みらいポータル協会
センター長
大原 基秀 氏
株式会社OKBキャピタル
ベンチャー投資チーム
アソシエイト
大橋 怜史 氏
(モデレーター)
株式会社ABAKAM 代表取締役
インデペンデンツクラブ代表理事
松本 直人 氏
 

特別セッション レポート

■株式会社eiicon 執行役員・地域戦略事業本部 本部長 伊藤 達彰 氏

eiiconは地域企業のオープンイノベーションを支援しています。2017年より運営する、中小企業、スタートアップ、大企業、自治体向けに、新規事業やオープンイノベーションを推進するプログラムであるオープンイノベーションプラットフォームの「AUBA」には、累計で32,000社以上の企業が登録しており、1700件以上の共創を実現しています。


岐阜県では「ぎふスタートアップ支援コンソーシアム」の取り組みとして、スタートアップ専門コンシェルジュ設置業務を共同で実施しており、ファイナンスや成長、ネットワーク構築など様々な相談にお応えしています。岐阜では地域企業の間で、スタートアップ活用に対する理解やオープンイノベーションの必要性に対する認識が不十分だと感じています。スタートアップ活用に対する意識を高めていく必要があります。一方で、名古屋や関西との距離の近さという地理的な優位性や幅広い産業が存在することなど非常にポテンシャルの高い地域だと考えています。

 

■一般社団法人岐阜みらいポータル協会 センター長 大原 基秀 氏

岐阜市役所から委託を受けて創業ベンチャー支援事業「ぎふしスタートアップ支援事業」を行っています。JR岐阜駅近くにあるコワーキングスペースとシェアオフィスを提供する施設「Neo work-Gifu」の運営や、事業計画策定や資金調達、補助金・助成金活用、人材採用など、幅広い相談内容に対応する「岐阜市スタートアップ相談窓口」の運営を行っています。また、スタートアップ関連のイベントやセミナーを毎月開催しており、3ヶ月に1回の「GIFU IGNITE」には市長が必ず登壇しており、首長が先頭に立って新産業の創出を目指しています。

現在、岐阜みらいポータル協会として新たなファンドの組成を準備しています。また、岐阜市やeiicon、OKBキャピタルなど支援機関としてのエコシステムは構築されつつあると感じていますが、支援するプレイヤーが圧倒的に不足していると感じています。特にプレシード期のスタートアップが岐阜市には不足しており、実際に地域のファンドも愛知や別の地域の企業に投資していることが多いのが現状です。この現状を打破するためには、岐阜市で起業したい人材を生み出すこと、スタートアップと地域企業との繋がりを作ること、そこにリスクマネーを供給することの3つが今後の課題だと考えています。

 

■株式会社OKBキャピタル ベンチャー投資チーム アソシエイト 大橋 怜史 氏

OKBキャピタルは、大垣共立銀行のVCです。2024年4月に岐阜大学内にオープンイノベーション創出支援拠点「OKB SCLAMB」を設立しました。岐阜大学や名古屋大学と企業との共同研究による連携のサポート、大学における起業やスタートアップの成長のサポート、学生・研究者・事業者・サポーター企業のコミュニティ形成などを行うことで、地域のオープンイノベーションを推進しています。

また、「岐阜テックプランター」への参画や、「OKB 4S循環ファンド」の運営、学生向けアクセラレーションプログラムの実施などを行っています。

「岐阜テックプランター」では、行政と金融機関、多くのパートナー企業で協力し研究者やディープテックスタートアップの発掘・育成をしていくことで、持続的に産業を創出する産官学金一体となったエコシステムを構築しています。

「OKB 4S循環ファンド」では、大学発ベンチャーを含む地元中心のスタートアップへの投資と、OKBグループのリソースを最大限活用した投資先支援を行っています。

岐阜市としての今後の課題はリスクマネーの不足だと考えています。地銀系VCが増えてきているのですが、さらにリスクマネーを増やしていくためにスタートアップへの投資としての成功体験を作っていく必要があります。また、同じ地銀である十六銀行もファンドを持っており、二行で同じスタートアップに投資することもあり支援側の地盤が出来つつあると感じています。現在シード・アーリー期のスタートアップへの投資が多く成長支援にも力を入れています。銀行のネットワークを活用し連携先を積極的に紹介するなど、銀行や商工会議所などが地域のキーパーソンとなりスタートアップを支援するエコシステムを構築していきたいと考えています。

 

(左から、大橋氏、大原氏、伊藤氏) (左から、大橋氏、大原氏、伊藤氏、
松本氏)
(会場の様子)

※「THE INDEPENDENTS」2024年11月号 P.6 より
※ 冊子掲載時点での情報です