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「TPMへの上場でリゾート事業を拡大していく」

<起業家インタビュー>

― 昨年の9月21日TPM(東京プロマーケット)上場おめでとうございます

 ありがとうございます。私は元々祖父が作った会社が地元新潟にあり、そこの経営の武者修行として1985年野村證券に入社し2年勤めました。その後、1988年に創業したのがこの株式会社エンゼルグループで、35年かけてTPMへの上場を果たしました。

 リゾート事業を幅広く展開しており、宿泊・管理・不動産事業が柱となっています。宿泊事業では、新潟県越後湯沢で特にお子様連れのファミリーに満足いただける施設として、ミキハウス総研「ウェルカムベビーのお宿」認定の「エンゼルグランディア越後中里」270室を運営し、福島県岩瀬郡天栄村の「エンゼルフォレスト羽鳥湖高原」で200万㎡の雄大な自然に抱かれた愛犬家に特化したドッグリゾートを約150棟展開するなど特定層を対象とした宿泊事業の推進を行っています。不動産事業では、湯沢・軽井沢・熱海など全国11店舗でリゾートマンション、別荘、別荘地の売買・賃貸を取り扱っています。別荘地管理事業では11別荘地、9,256区画を運営しており、貸別荘建築による別荘地再生事業に取り組んでいます。マンション管理事業ではリゾートマンション専業の豊富な情報量と管理のノウハウ等、エンゼルグループとしての強みを十分に発揮して、現在約100棟、13,000室の管理を行い、オーナー様の大切な財産であるマンションの資産価値向上に貢献出来る管理会社を目指しています。その他、リフォームや新築貸別荘を建築する建設業、日本酒製造、観光バスなどリゾートとのシナジーがある事業も行っています。

 

― TPM上場の目的について教えてください

 上場の主な目的は、事業の拡大と優秀な人材の確保、地方自治体案件を進めることの3点です。まず事業拡大に関して、上場することで経営が透明化され金融機関やお取引先様の対応が良くなることを期待しました。次に人材確保に関して、譲受した事業の従業員はもともと大手法人グループの社員も多いため、当社に対する不安を持つ方もいました。そこで、地元で上場しているサービス業の企業が少ない中、当社が上場を果たすことで優秀な人材を採用・研修し長く勤めてもらいたいと考えました。最後に、地方自治体からも道の駅や県営公園など指定管理者制度で運営していた案件の相談を受けており、それらは立地条件は素晴らしいものの投資が行われないので運営がうまく行っていません。これらにおいて株式公開をしていた方が信用を得やすく事業を進めることができると考えました。

 

― TPM上場に至るまでの経緯と上場後の変化について教えてください

 今回三度目の正直という思いで上場を果たしました。というのも、観光ビジネスは景気の影響を大きく受けやすく、以前も二度上場を進めていたのですが、新型コロナウイルスの影響などもあり事業が傷んでしまい諦めざるを得ない状況になってしまいました。そんな中今回TPMへの上場を決めたのは、私も61歳と高齢になってきて来たこともあり、少しでも早く上場できるTPMで出来る時に上場しようと考えたからです。

 上場後の変化としては金融機関の対応はかなり変わりました。向こうからスキームの提案が来るようになり融資実行スピードも早まりました。また、地方自治体からの相談件数も飛躍的に伸びました。採用に関してはこれからですが、若干とはいえ地元の優良企業として見てもらえるようになったことを感じています。

 

― 今後の展望について教えてください

 今後は1.5年後にはステップアップとしてTPMからスタンダード、名古屋証券取引所もしくは札幌証券取引所へ移ることも検討しています。なぜなら、公開会社として新聞に載り自由に売買されるこれらの市場の方が、お客様やお取引様からの信用も得やすくなる他、社員へのストックオプションや社員持ち株会等により会社の成長が社員の豊かさに直結できることが好ましいと考えているからです。

 会社の成長ストーリーとしては、円安の影響もあり将来的に売り上げの半分がインバウンドになると考えています。特にスキー場として有名な湯沢の施設は現在でもスノーシーズンは約50%がインバウンド客です。また、現在力を入れておりますのが、熱海・伊豆・那須・那須白河などの事業譲渡を受けた別荘地での貸別荘事業です。貸別荘事業は、自社所有型と借上げ型があります。木造貸別荘は償却が17年と短いので、それを活かして自社所有により優良稼働物件を増やしていく他、新築貸別荘を購入したオーナー様や現在すでに所有されているオーナー様から自己利用されないときに貸別荘と当社で運営する方法です。日本のリゾートは世界で売れる大変価値のあるものだという信念をもって、これからも各分野で積極的に事業を推進していきたいと思っています。

 

interviewed by kips 2024.3.4 




【株式会社エンゼルグループ】  (→イベント登壇情報
設 立 :2020年9月1日
所在地 :新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢1-1-15
資本金 :1億円
事業内容:持株会社としての、グループ経営戦略の策定・推進、グループ経営の監査、その他グループ経営管理
従業員数:約700名(グループ全体)
 
 

 

【代表者略歴】

株式会社エンゼルグループ
代表取締役社長
新保 光栄 氏 Kouei Shimbo


生年月日:1962年9月26日
出身高校:新潟県立小千谷高校

1985年4月国立山形大学人文学部法律学科卒業後、野村證券㈱入社。
1988年6月上越リゾート㈱(現エンゼル不動産)創業 、代表取締役就任(現任)。
2009年8月㈱エンゼル代表取締役社長就任、2011年7月 同社 取締役会長就任(現任)。
2013年11月苗場酒造㈱代表取締役社長就任(現任)。
2018年3月㈱エンゼルフォレストリゾート取締役会長就任(現任)。
2020年9月㈱エンゼルグループ代表取締役社長就任(現任)
 

※「THE INDEPENDENTS」2024年4月号 - P.2-3より

株式会社エンゼルグループ

住所
新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢1-1-15
代表者
代表取締役社長 新保 光栄
設立
2020年9月1日
資本金
100百万円
従業員数
23名
事業内容
リゾートホテル運営、不動産
URL
https://www.angel.co.jp/