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「各証券取引所による2024年展望について:TOKYO PRO Market」

 

TOKYO PRO Market 概要


所在地     : 東京都中央区日本橋兜町2-1
J-Adviser社数 : 16社(2023年12月31日現在)
上場会社数   : 90社

 


■ TOKYO PRO Market の特色

 TOKYO PRO Market(以下、「TPM」といいます。)は、2008年の改正金融商品取引法により導入された「プロ向け市場制度」に基づき、2009年6月に開設されました。

 TPMは市場への参加者を特定投資家および非居住者に限定することにより柔軟な上場制度を実現し、成長意欲のある企業の多様な上場ニーズに応えることができる市場運営を行っています。

 また、「J-Adviser」という東証から委託を受けた企業が上場前の上場適格性の調査・確認や上場後の適時開示等の助言・指導義務を担うアドバイザリー制度を採用していることも大きな特徴となっています。

 現在16社がJ-Adviserとして認定されており、証券会社のみならずM&A仲介会社、IRやディスクロージャー支援を専門とする会社等様々な特色を有する事業会社が参入しています。市場開設当初は上場会社数が伸び悩んだものの、近年はTPMの知名度も向上し、新規上場会社数は右肩上がりとなっており、2023年の新規上場会社数は過去最多の32社となりました。2023年12月末時点の上場会社数は90社となっています。

 TPMはグロース市場のように上場時の資金調達が必須ではなく、また株主数などの流動性に関する上場基準も設けられていないことから、オーナーシップを一定程度維持したままで、上場による知名度や信用力の向上を実現し成長に繋げることを目的としているケースが多いですが、足元では上場時や上場後に資金調達を行うケースや、東証や他の証券取引所の一般投資家向け市場への足掛かりとして上場するケースも着実に増えてきており、これまでに10社が他市場への上場を実現させています。

 

■ 今後の展望

 東証ではこれまでTPMの知名度向上と活用方法の普及に向け、個別企業との面談やJ-Adviserとのセミナー開催等を通じたプロモーション活動を展開してきました。ようやく成長軌道に乗りつつありますが、更なる発展に向けた取り組みの必要性も感じております。

 TPMの大きな課題の一つとして、市場への参加者が、いわゆる「プロ投資家」に限定されていることに加え、現時点では上場株式の市場流通量が少ないことによる流動性の低さがあります。

 2022年7月には「プロ投資家」に移行可能な個人の対象範囲が拡大されましたが、依然として流動性には課題があることから、東証としても引き続き投資家層の拡大に向け各関係者との連携強化を進めたいと考えております。

 また、東証では2022年4月の市場区分見直し以降、「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」を設置し、上場会社の企業価値向上やベンチャー企業への資金供給などに関する検討を行っておりますが、TPMについても、スタートアップ企業の資金調達環境改善の観点から、今後現行の制度にとらわれず、必要な見直しの内容について議論をしていく予定となっております。

 

■ お問合せ先

 株式会社東京証券取引所 IPOセンター
 ipo@jpx.co.jp
 

※「THE INDEPENDENTS」2024年2月号 掲載 - P.7より
※冊子掲載時点での情報です