「TOKYO PRO MARKET 上場廃止について」
【國本 行彦】 1960年8月21日生。 東京都立志村高校卒業。 1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。 2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。 2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現理事) 2020年6月 (株)ラクス社外取締役就任 |
株式会社Kipsは1月25日の臨時株主総会で東京証券取引所TOKYO PRO Market(TPM)の上場廃止が承認され2月に非上場会社に戻ります。当社はTPM上場によって、年間約100社のスタートアップを発掘体制構築、ベンチャーファイナンスなど信用力向上面で一定の成果を上げたと考えております。またTPM市場も流動性向上や資金調達事例も増え2023年の新規上場は32社と注目度が高まっています。昨年のVC/CVCのIPO初値評価額合計は1795億円と前年26%増とベンチャー投資市場は回復しました(NVCC資料より)。
Kips 経営指標の推移(連結) (単位:千円) | (※ NVCC 資料より) |
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しかし当社自身は2019年9月20日の上場からの5年間は業績面で大きな変化がなく株主数も結果的に増やすことができませんでした。2023年12月末時点での当社グループが保有する未上場企業数24社、その評価金額450百万円、投資先IPO会社は3社となりましたが、投資先が継続して上場できる体制構築には至っていません。一方で、スタートアップ投資を巡る環境変化のスピードは早く、新たな投資資金の確保や IPO 以外の EXIT 対応など、生き残るためには当社自身が大きく変化する必要を強く感じています。そこで株主の皆様のご期待にお応えできず残念ですが、非上場化した上で新たなスタートアップ支援モデルを構築する事が当社理念「一人でも多くの人と一緒に、1社でも多くの公開会社を育てる」の実現に近づくものと決断いたしました。
私自身はNPO法人インデペンデンツクラブの永続を考えながら、今後3年を目途にこれからの時代に貢献できる体制を見出したいと思います。今後も皆様のお世話になりますが、引き続きよろしくお願い致します。
※「THE INDEPENDENTS」2024年2月号 - P.15 より