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「環境変化を乗り越える起業家たち」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。
東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現理事)
2020年6月 (株)ラクス社外取締役就任

 今年春のIPO市場は大きく荒れています。全体20社のうち公開株価を大きく上回る企業もありますが、11社と半数が公開株価割れしています(2022年4月22日現在)。因みに2021年IPO合計125社を見ると、公開時点の時価総額に対しては20%、初値ベースでは48%も下回っています。昨年4月までのIPO社数は30社でしたので、今年のIPO社数は去年の2/3の83社程度になるかもしれません。IPO年数も2020年IPO企業は設立からIPOまでの平均期間17年、2021年は平均期間19年、2022年4月時点では平均期間22年と長くなってきてます。
 これらの状況変化がバリュエーション低下や勝ち組企業へのVC集中投資による資金調達面での変化が多くのスタートアップ企業への影響が懸念されます。

 2008年のリーマンショック時には、VCの撤退が相次ぎ、数多くのスタートアップ企業が淘汰されました。ただその厳しい時期を乗り越え生き残った企業からは、その後力強く成長しIPOを成し遂げた企業もあります。現在は、2008年当時と比べ、VC投資資金も各段に増え、公的支援や融資等も充実し、またエンジェル投資家からの資金調達環境も整備されています。

 振り返るとインデペンデンツクラブでは、セレンディップ・ホールディングス㈱(設立2006年8月)、BCC㈱(創業2002年3月)、㈱Geolocation Technology(設立2000年2月)、㈱アスタリスク(設立2006年9月)、㈱セキュア(設立2002年10月)がリーマンショック後の修羅場を乗り越え昨年IPOを果たしました。

経営環境が激変する時代にあっては、執念が強く且つリスクにチャレンジする起業家が最後には生き残る姿を見てきました。

※「THE INDEPENDENTS」2022年5月号 - p4より