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「M&Aとグローバル化で成長戦略を描く」

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【奥田 みずえ 氏 略歴】
生年月日:1969年4月15日
出身高校:N.A
1991年6月伊藤彰産業に入社。2016年3月代表取締役就任。

【(株)伊藤彰産業】
【設 立】1988年10月5日
【所在地】愛知県名古屋市南区元塩町一丁目26番地
【資本金】48,000千円
【株 主】経営陣
【役 員】(代)奥田みずえ、伊藤公弘、伊藤徳子
【事業内容】鋼材・樹脂の卸売りおよび加工
【売上高】355,321千円(2021年4月期)
【従業員】11名



M&Aとグローバル化で成長戦略を描く


■多品種、小ロット、短納期で鋼材を加工・販売

当社は、名古屋で金属・樹脂卸として商売をしてきました。一般鋼材、特殊鋼、ステンレス、アルミニウム合金、各種樹脂など約1000種類取り扱い、加工を行っており、それらを短尺でも1ケから短納期で納品できるのが当社の強みです。当社は、鉄鋼メーカーから鋼材が出荷される時点で最終ユーザーがすでに決まっている「紐付き」と呼ばれるタイプの卸ではないため、日々新規営業の必要がありますが、営業マンをおかない代わりにHP、SNS、テレビCM等を利用し全国へ情報発信しています。主な販売先は、機械・建築金物、工場設備、試作、研究所、工業高校や大学など。全国の個人の方、海外にサービスを拡充するため支払い決済も、paypal、コンビニ払い、カード払い、電子マネに対応しています。 2019年より特に加工に力を入れ、2022年には切削を内製化します。



■2代目社長として風土改革を進める

当社は、1990年に売上20億円、工場10ケ所、社員70人、借入金14億円を抱えバブル崩壊。従業員も去っていきました。ちょうど私が入社したタイミングで、財務健全化が急務でした。資産売却等に奔走し、十数年で借入金を3億円以下まで減らすことができました。

ところが、2015年に若手社員が3人たて続けに退職する事態が発生。原因は人間関係と非効率な体制。 私が社長就任後、ワンマントップダウン体制から舵をとるべく異業種から5名を中途採用し、「工場長養成塾」に入塾させ、リーダー育成に心血を注ぎました。仕事に責任感をもたせるため社内に委員会を設置し役割を分担。若手が自ら課題を見つけ、率先して動いてくれるまでになりました。

■M&Aにより、金属以外の新たな事業軸をつくる

私は常々、自分よりも優秀な人を、自分のまわりに置くことの大切さを実感しています。  社員の活躍で、コロナ下にもかかわらず、今年は昨年の倍の売り上げで推移しています。 昨年12月に東海空圧機器(株)を譲り受けました。当社の改革前と同じような状態でしたが社員の意識改革を行い、8ヶ月で単月黒字化できました。  今後は不況や社会変化に強い事業ポートフォリオを目指します。ベトナム進出を足掛かりに更にグローバル化を進め、頑張る社員に対し給与や待遇改善で応えていきます。

※2021年11月号掲載時点での情報です