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「「セルフケア薬局®は 処方箋なしで病院の薬が買える新たな医薬品購入の選択肢です」」

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【代表取締役 服部 雄太 氏 略歴】
出身高校:N.A
薬学部卒業後、アボットジャパン(株)、日本調剤㈱チェーンを経て、2016年3月にGOOD AID(株)を創業、代表取締役就任。2020年3月から、子会社であるセルフケア薬局(株)代表取締役も兼任。

【GOOD AID(株)】
設立: 2016年3月1日
資本金:200,395千円
所在地:愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12 グローバルゲート11階
事業内容:セルフケア薬局・調剤薬局・訪問看護の運営
株主:服部雄太、事業会社ほか
業績:N.A
従業員数:160名
主要子会社:セルフケア薬局株式会社
事業所数:保険調剤薬局 23、零売薬局 4、訪問看護 2


<起業家インタビュー>

「セルフケア薬局®は 処方箋なしで病院の薬が買える新たな医薬品購入の選択肢です」


■処方箋なしで病院の薬が買える零売専門薬局「セルフケア薬局®」を経営されています

「セルフケア薬局®」は、薬剤師と対面カウンセリングを受けることで、処方箋なしに病院の薬を購入できる薬局です。病院で処方されている薬の内、約半分の7,300種類は、実は薬剤師による対面販売が認められているにもかかわらず、このことはあまり知られていません。LINEやオンラインビデオで事前問診し(5分)、通勤や買い物のついでに薬局に立ち寄っていただき(5分)、合計10分程度で必要な薬が入手できます。実際には、湿布薬、軟膏、ビタミン剤、鼻炎薬、頭痛薬、ステロイドのぬり薬などをよくご購入いただいています。慢性疾患を持たない20歳~50歳台の方々にご利用頂くことが多くなっています。

■消費者にとっては病院に行かずに薬が買えれば時間短縮にもなります

処方箋なしでも病院の薬が買えるセルフケア薬局®の提供する価値には、「病院に行って、薬をもらうための時間が作れない方々の問題を解決する」という側面があります。従来の医療より時間を大幅に短縮し利便性向上、 医療負担・感染リスクを軽減ができる医療インフラとなります。

■JR東日本スタートアップ(株)と資本業務提携され、駅ナカに進出されました

薬剤師との相談から、医療・ヘルスケアサービスへと健康体験をシームレスに繋ぐ「スマート健康ステーション」を目指しています。日本初の駅ナカ店「セルフケア薬局®」を2021年2月西国分寺駅に出店し、実証実験を行いました。これにより一定の成果が出すことができ、ご評価をいただけたので、同年5月に資本業務提携の実現に至りました。開業から数ヶ月経過して、「セルフケア薬局®」に来局するためだけに、入場券を購入される方もいらっしゃるということで、存在価値を発揮出来ていると感じています。その後、この「セルフケア薬局®」は主要ターミナル駅への出店を進めるための調整を進めています。

■薬学部卒業後医療機器メーカーに就職されました

元々大学在学中から起業したいと考えていました。薬剤師免許を取得後、あえて医薬品のMRとして働いたのは、起業に必要な人脈づくりや業界のしくみを俯瞰できる力、経営スキルを身に付けたいと考えたからです。その後、保険調剤薬局チェーン大手である日本調剤(株)に転職し、名古屋市内の中村日赤前薬局で勤務し、独立準備をしていました。

■調剤薬局をM&Aをして独立されました

一宮市で知人の調剤薬局のM&Aをして「おだいじに薬局(保険調剤薬局)」を開店しました。その後も大手調剤薬局チェーンの対象とならない小規模の調剤薬局を中心にM&Aをしました。現在は、東海、関東、関西と、26の保険調剤薬局を展開しています。「おだいじに薬局」は、「セルフケア薬局®」の「零売」の機能を付加した「調剤と零売のハイブリッド型店舗」として患者様の利便性向上に繋がっています。

■保険調剤薬局の今後の見通しや課題はどういったところでしょうか

1980年代、日本で薬の処方と調剤を分離する医薬分業が始まり、その後調剤薬局の売り上げは、右肩上がりで成長してきました。ところが近年では政府の医療費削減の影響もあり、処方箋枚数の伸びは鈍化しています。

一方で薬剤師の資格を得た人の多くは、門前処方箋薬局や院内薬局で働いています。処方箋の数が膨大で、サービスの質よりもスピード対応が求められ、薬剤師が本来持つ、「患者の声に耳を傾け、状況や気持ちを聞き取る力」が十分発揮できているとは言えません。最近の薬剤師は、調剤薬局チェーン以外の就職先の選択が増えているのが現実です。弊社の事業を通じて、「薬剤師の価値向上」を実現していきたいです。

■オンラインAGA治療『delling (デリング)』で業務提携されました

オンラインAGA(男性型脱毛症)診療サービスの『delling(デリング)』を提供する(株)ソラリウムと業務提携しました。医師によるオンライン診療(問診・予約・診察)を、スマホでワンストップ提供し、ご自宅にお薬を定期配送し、アフターケアを担う専属カウンセラーが日々の発毛をサポートします。弊社は薬局のリアル店舗を活用し、医薬品のロジスティクスを支援しています。

■今後の事業展開計画についてお聞かせください

「GOOD AID」という社名にもあるとおり、調剤薬局に留まらず、ヘルスケア・地域医療に貢献し、ゆりかごから墓場までのケアを目指して創業致しました。

3年後に「セルフケア薬局®」を商業施設や駅ナカ50店舗出店、調剤と零売の両方の機能を備えた「おだいじに薬局」を、東名阪の地域に根ざした形で110店舗出店し、健康に関するよろず相談ができる「街の保健室」のような場所を提供することで、事業成長を加速させていきます。

■増え続ける医療費、 そして医療従事者の負担を低減し、薬、社会を良い方向にかえたいとするビジョンが伝わります

膨張する日本の医療費を削減する一助になりたいです。今後は自治体との連携が鍵になってくると考えています。オンラインとオフライン折衷で、診察に必要な時間を短くし、関連コストを下げつつ、良質のサービスを提供します。我々はすでにIPO後のステージを想定し、準備を開始しています。医療業界の常識にとらわれずに、ゆりかごから墓場まで、これからも、皆様の健康を支え続けるサービスを模索し、提供していきます。

(2021.10.11interviewed by 國本行彦)


※「THE INDEPENDENTS」2021年11号 - p2-3より

GOOD AID株式会社

住所
愛知県名古屋市中村区名駅1-2-4名鉄バスターミナルビル10F
代表者
代表取締役 服部 雄太
設立
2016年3月1日
資本金
275,771,500円
従業員数
事業内容
セルフケア薬局・調剤薬局・訪問看護の運営
URL
https://good-aid.com/