「口臭を測るスマート歯ブラシで歯周病や虫歯を防ぐ」

＜起業家インタビュー＞

口臭を測るスマート歯ブラシで歯周病や虫歯を防ぐ

■歯科医が開発「SMASH」

歯に痛みが出る頃になって歯科医院に行くことは、実はある意味手遅れの状態です。この段階で歯医者に行くと、歯を削るか詰めものをするという選択肢しかないのが一般的です。国民皆保険が充実し、安く歯科治療ができる日本の歯科医療の特徴です。しかし、これでは、歯を失う「負のスパイラルに陥っている」といえます。そこで当社は、歯周病や虫歯が口臭の元となるガスを発していることに着目しました。歯磨きをする前後に、スマート歯ブラシに内蔵された測定センサーに息を吹きかけるだけで臭気を測定し、４段階で口腔内の状態を「緑、黄色、赤、紫（悪化）」と表示する「SMASH」を開発し、発売を開始しました。口臭は、痛みが出る前のいわば重症化前の予兆を示すバロメーターです。日本で設計、海外で製造し、本体価格1台29,800円（税込）です。

■オーラルスコアレポートとオンライン相談でフォロー

当社は、「SMASH」と、スマホアプリ「NOVENINEアプリ」のサービスを通じて、初回計測から7日目に無料の「オーラルスコアレポート」をユーザーに届けています。直近一週間のデータ(口臭ガス、口腔内画像、歯みがき習慣、生活習慣アンケート）を元に、歯科衛生士さんからアドバイスが届きます(2回目からは有料サービス)。また有料オプション契約（858円～）に入っていただいた場合は、3ヶ月ごとに2本の替えブラシが届け、正しい歯磨きの習慣化を図っています。日本のオーラルケア市場は4000億円と言われ、高齢化も進むため、今後も市場拡大が期待できます。

■口腔内ビッグデータから、歯科保険を作る

我々は少短保険、共済保険の提供を目指しています。当社の調査では、直近３か月、歯科治療を行った患者908人の内、その約6割が保険加入を志向しているというデータがあります。労働力人口の5,649万人(2021年2月)の内、歯科治療中及び一時中断中の者21.2%をターゲットとし、例えば、保険料月額1,980円の場合で2,844億円の市場が見込めると考えられます。弊社が想定するプランは、替え歯ブラシ定期配送プランに契約された方は実質無料で自由診療を1万円まで保証、月額980円の保険は、10万円まで保証するなど、検討を進めています。

※2021年8月号掲載時点での情報です