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「小児医療テックの大学生ベンチャー」

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【村上 嘉一氏 略歴】
生年月日:1999年11月29日
出身高校:愛知県立時習館高校
名古屋大学情報学部2年時に合同会社ジークスを名古屋大学、名古屋工業大学の同級生と創業。AIの研究開発、受託開発を行いながら、2020年から医療領域で事業を企画。名大病院などと共同研究を行う。2021年から小児科医と共同で小児医療の情報アプリ「あんよ」を開発。

【ジークス(株)】
設立: 2019年9月9日
資本金:30千円
所在地 :名古屋市中村区名駅1丁目1-3
JRゲートタワー27階 名古屋大学OICX
事業内容:子育て医療アプリ「あんよ」の運営、企画、開発運営

<起業家インタビュー>

小児医療テックの大学生ベンチャー


■医師や助産師と親をつなぐ安心情報アプリ「あんよ」

妊娠・出産は、女性の心と体に大きな変化をもたらします。最近は妊娠、出産、育児をする女性の10人に1人以上が、産後うつと診断されています。周産期の母体の死因1位は自殺(東京都内)という事実さえあります。
こどもの体調や症状について悩み、疑問、不安が少しずつ溜まっていき、安心材料を求めインターネットで情報を探す方は非常に多いです。しかし、残念ながらインターネット情報は玉石混合です。インターネット情報を鵜呑みにし、患者の誤解を解くのが大変だとこぼす開業医もいます。当社は、このような眼前課題を改善し、全ての人々に平等で最適な医療を届けるため、2019年に名古屋大学情報学部、名古屋工業大の学生が集まり「ジークス(株)」を起業ました。そして小児科クリニックと安心でつながる情報アプリ「あんよ」の開発をスタートさせました。

■医師監修Q&Aと医師に直接相談できる機能

情報アプリ「あんよ」は、基本は提携医療機関等からの紹介による招待コードを入力することで、フルサービス利用ができます。現役の小児科医による、新生児・乳児期の赤ちゃんを持つお母さんからよく寄せられる質問と回答の閲覧が可能です(約150問)。利用者は医師に直接相談も可能です(1回500円)。「あんよ」導入済のクリニックでは、診察予約や通知機能もご利用いただいています。  現在、愛知・岐阜の出生数の 10%以上 を占める大手医療法人葵鐘会(ベルネット)の17施設にて「あんよ」実証実験を行っています。今後は、愛知県小児科医会を通じて愛知県内の約1800小児科施設、そして静岡県のクリニックもターゲットにおき、ユーザー数を伸ばしていきます(2025年までの目標ユーザー数172万人)。

■創業メンバーの持つ次世代AI技術とネットワーク

当社の初期ビジネスモデルは、保険代理店からの広告収入、子育て世代向けの関連商品やサービスの広告収入で、この業界の市場規模は約2500億円です。生成型AI、ディープラーニングシステムの開発力を生かし、また産後ケアで定評のあるマドエボニータNPO法人などと連携し、質の高いサービスを作っていきます。

※2021年8月号掲載時点での情報です