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「ベンチャーファンド第4期目を迎えて」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。
東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現理事)
2020年6月 (株)ラクス社外取締役就任


 当社が運営するThe Independents Angel投資事業有限責任組合の2020年度の投資実行数は1社でしたが、2社を売却し分配金は58,694千円、1口(1,000,000円)あたりの分配金は133,396円となりました。昨年は コロナの影響を見極めるため、新規投資より既存投資先のフォローを重視しました。

 「顧客の創造」は事業目的についてのドラッガーの名言です。事業の成功には、LTV(Life Time Value=顧客継続価値)とCAC(Customer Acquisition Cost=顧客獲得費用)のコントロールが重要になります。事業収益は、(LTV-CAC)×市場規模(顧客数)で決まります。この方程式に数値(パラメータ)を入れる事ができるまでがスタートアップの勝負です。IPOの成功は、市場規模(見込み)とこの方程式を実行するための投資コストが計算できるかがポイントになります。

 当社ファンドは2021年度になってから既に投資実行3社20,100千円を実行しています。その結果、累計投資実行金額は303,440千円、投資実行社数14社となりました。2019年12月設立した当ファンドの出資総額440,000千円に対しての累計投資損益は▲18,971千円、経費等を差し引いた通算損益は▲58,202千円です。 当ファンドからの投資組入れは終了、今後は人材・提携先・出資先情報の提供や事業計画再作成やIPOコンサルなど投資先支援に注力していき、ファンドパフォーマンス向上に努めていきます。

※「THE INDEPENDENTS」2021年4月号 - p23より