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「地方スタートアップのIPOとM&Aへの期待」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。
東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現理事)
2020年6月 (株)ラクス社外取締役就任


2021年あけましておめでとうございます。昨年からのコロナ禍による厳しい環境下において各地で頑張っておられる方々に感謝申し上げます。

一方で新しい芽が出てくる中、本年は地方のスタートアップ企業の躍進に注目しています。DXやテレワークによるライフスタイルの変化によって地方の良さが再認識されています。昨年のIPO社数は93社のうち東京本社は66社(71%)と相変わらず高水準でしたが、大阪本社のIPOは14社と増加し、福岡のアイキューブドシステムズ、名古屋のスタメンと高く評価される地方企業もありました。インデペンデンツクラブでもDX関連はもちろん環境関連の個性的な地方スタートアップ企業が事業計画発表をしています。

もう一つのトレンドはスタートアップのM&Aです。現状のIPO体制では年間100社が限界かと思われ、VCは投資先のEXITとしてM&Aに力を入れていくでしょう。かつてシリコンバレーでは多くのスタートアップ企業のEXITはシスコシステムズでした。愛知におけるトヨタのように地域ベンチャーエコシステムの中核となる企業の出現が望まれます。起業家にとってもM&Aは事業スピードを上げるチャンスになります。大阪ではM&AでEXITを果たした起業家がシリアルアントレプレナーやメンターとして地域スタートアップの発展に貢献しています。

全国の個性溢れる起業家を発掘し、そして今まで以上にスタートアップの成長を支援するベンチャーコミュニティ作りに注力していきます。本年もなにとぞよろしくお願いいたします。


※「THE INDEPENDENTS」2021年1月号 - p19より