「世界一ユニークなプロテインメーカーになる」
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【坂本 雅俊 氏 略歴】
生年月日:1974年1月13日 出身高校:島根県立三刀屋
帝京大学卒業後、1996年4月(株)ビジネスコンサルタント入社。2001年2月に(株)アルプロン創業、代表取締役に就任。健康食品の製造販売事業を始める。
【株式会社アルプロン】
設 立 :2001年2月27日
資本金 :2億9980万8000円(2019年2月現在)
所在地 :島根県雲南市加茂町南加茂1204-1
事業内容:プロテイン、健康食品等の開発製造販売
<起業家インタビュー>
世界一ユニークなプロテインメーカーになる
人間の生命維持や身体活動などに欠かせない三大栄養素の一つであるたんぱく質「プロテイン」を中心としたサプリメントの製造販売を行っています。
プロテインの語源はギリシャ語の「プロテウス(最も大事なもの)」に由来しています。プロテインの成分はタンパク質であり、タンパク質は、肌や筋肉、髪や爪などの人間の生命維持や身体活動などに欠かせない栄養素になります。近年はプロテインの重要性の認知が広まりつつあります。当初はアスリートをサポートしたいという想いからスポーツサプリメントの開発や提供を行っておりましたが、今後は世の中の人々がアクティブになれるような活動を行っていきたいと考えております。自社ブランド製品(ナショナルブランド)と他社ブランド製品(OEM)の2つの製品を展開しています。
プロテイン市場参入にあたり先行する大手食品メーカーに勝つためにはスピードと品質しかないと考え、自社生産方式を採用しました。黒字にするためには工場稼働率を上げるしかないとOEM受託を始めました。ちょうど筋力アップにプロテイン商品が注目を集め、自社ブランド「ALPRON(アルプロン)」の知名度も上がり2013年当時の年商1億円が今年度売上20億円へと成長しました。新型コロナウィルスの影響について教えてください。
この3月以降、リアル店舗向け商品、特にスポーツ関連向け販売が激減しました。ドン・キホーテなどの24時間対応ショップは好調ですが、ショッピングモール向けは落ち込んでいます。一方で、アマゾンなどEC向け商品は好調です。リアル6:EC4の比率ですが、今後は物流機能を充実させ自社通販ルートを強化していきます。企画開発から製造までできる自社工場システムを持っている点が強みだと思います。
これまで100社以上のOEM提供実績がありますが、大豆、牛乳、米などの原料仕入れからパッケージまで商品企画を行っているため、お好みのサプリメントの開発製造が短期間で可能になります。食品安全マネジメントシステムに関する国際規格「FSSC-22000」の認証、国際的アンチドーピング認証プログラム「インフォームドチョイス」の認証も取得して徹底した品質管理に努めています。島根県からの上場企業を目指しています
私の生家は島根で13代続く農家です。4人兄弟の長男として生まれ、幼いころから大切な後継ぎとして育てられました。東京の大学に行きましたがいずれ田舎に帰るつもりでした。ところが経営に興味を持つようになり東京で起業して家族を持つと島根には戻れなくなりました。島根県の上場企業は現在3社ですが、地方創生や地方還流を目指し世界へ邁進する島根発の上場企業へ成長させていくことがせめてもの地元への恩返しだと思っています。遺伝子解析検査サービスを提供する(株)DNAファクターを子会社化しました。
九州大学と共同研究を行ってきた同社は運動、感性、学習といった教育分野の遺伝子検査サービスの提供から始まりました。現在では肥満体質などのフィットネス領域、ストレスチェックなどのストレスケア領域、美肌などの美容領域、がんリスク遺伝子検査、生活習慣病遺伝子検査などの医療領域、ペットの遺伝病検査などの遺伝子検査サービスに対象を広げています。当社の商品提案力やWEBマーケティング機能を取り入れ、医師と取り組む遺伝子解析検査サービス、ドクターオンライン診療サポート付きコロナウイルス抗体検査キットサービスなどをサービス形態の拡充を進めていきます。今後の展開について教えてください。
今まで様々なプロテインを開発してきた経験と提案力という当社の強みと、他社が保有する体質検査やAIなどの最新技術や、高齢化などの課題を抱える地方自治体との連携を積極的に進めていきます。プロテインを食文化の中に適切に取り込み人間そのものの成長をサポートすることで、人間は元気に、そして理想的な生活を送り、より幸せな人生を手に入れる事が出来ると信じています。(2020.7.31 interviewed by 國本行彦)
※2020年9月号掲載時点での情報です