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「財務戦略におけるTPM活用」

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【國本 行彦】
1960年8月21日生。
東京都立志村高校卒業。
1984年早稲田大学法学部卒業後、日本合同ファイナンス(現・JAFCO)入社。
2006年1月5日(株)インディペンデンツ(現(株)Kips)設立、代表取締役就任。
2015年11月9日 特定非営利活動法人インデペンデンツクラブ 代表理事就任(現理事)


プロ投資家市場「TOKYO PRO Market(TPM)」は今年既に5社が上場(承認含む)と、昨年の7社を超える勢いです。事業会社やVCが100億円以上資本出資する元LINE社長の森川氏が創業したC Channel社(5月25日上場)など注目企業もあります。2015年の第1号からTPM累計上場社数は48社で、地方企業の比率が3分の2(36社)と高いのも特徴です。現在のTPM上場企業数は37社で、上場廃止11社のうち3社がステップアップ上場しています。
*歯愛メディカル(JASDAQ)、global bridge Holdings(マザーズ)、ニッソウ(セントレックス)

売上や利益に対する上場基準が無いため規模の小さな企業が多く、監査1年と短期間での上場が可能であり、TPM上場を通じた体制強化によってステップアップ上場を狙う企業もあります。

最近注目されているのはTPMを活用した財務戦略です。上場時の増資、市場外による第三者割当増資というエクイティ調達や、金融機関からの信用向上による融資調達や無担保社債発行などデッド調達も増えた企業、M&Aでエグジットする企業もあります。TPM上場適格性を指導した実績のあるJ-Adviserは現在6社です。今後は上場後の資金調達、株主移動などの資本政策を実行提言できる機能がJ-Adviserには期待されます。かくいう弊社Kipsも今後はTPM活用の先陣を切っていきたいと思います。


※「THE INDEPENDENTS」2020年6月号 - p19より