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「衛星データ×土壌データで最適な農業を世界中に提供する」

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【坪井 俊輔 氏 略歴】
生年月日:1994年10月8日 出身高校:鎌倉学園高校
2014年横浜国立大学理工学部入学。2016年6月(株)うちゅう設立、代表取締役就任。2017年4月一般社団法人DMMアカデミー採択。2018年6月SAgri(株)設立、代表取締役就任。

【SAgri株式会社】
設 立 :2018年6月14日
資本金 :7,000千円
所在地 :兵庫県丹波市氷上町常楽725-1
事業内容:衛星データを活用した農業管理アプリ、インドにおける農業金融サポート
従業員数:6名



衛星データ×土壌データで最適な農業を世界中に提供する


■創業経緯

幼少期より宇宙に憧れ、大学在籍時に宇宙教育を行う(株)うちゅうを設立しました。それが縁で訪れたルワンダでの強烈な体験が、私の人生を変えることになります。現地の小学生は多くが進学の夢かなわず、卒業後に農業を手伝っていました。好きなことに没頭できた私とは対照的な彼ら彼女らを見て、「農業の負担を減らすことができれば勉強の時間が取れるのではないか」と考え、自分の研究分野である「宇宙」と「農業」を掛け合わせた事業を決意。2018年に当社を設立しました。

■衛星データ×土壌データで農業を最適化する「SAgri」

 個人から企業まで、あらゆる農地に最適な情報を提供する農業アプリ「SAgri」を提供しています。オープンデータ「Tellus」の衛星画像を用いて農地を一区画毎にデータベース化し、独自技術によって個々の土壌に関する様々な情報を解析・可視化します。これら農地情報や気象情報、日々の業務記録を元に、最適な農薬肥料量や収穫時期を提案、データ型農業を誰でも簡単に実現します。

■インド農家の自立を支援するマイクロファイナンス

 インドでは約2.6億人が農業に従事していますが、その多くが金融機関に対する信用がなく、農薬肥料や農機を購入するだけの資金調達ができない状況にあります。これに対し、「SAgri」の農地スコアリング手法を活用して、農作物の収穫予測等を与信情報として金融機関に提供、農家がより低金利で借入ができるマイクロファイナンス事業の準備を進めています。2019年9月に現地法人を設立しましたが、既に現地パートナーや実証提携先も確保できています。
 また、インドだけでなく、東南アジア諸国からも既に引き合いがあり、潜在需要を強く感じています。世界の農業就業人口の内、資金調達に課題を抱える小規模農家は15億人いると言われており、まずはインドで成功モデルを確立させ、「資金」や「経験」に依存しなくてもよいデータ型の農業環境を世界中に創っていきます。

※2020年1月号掲載時点での情報です