アイキャッチ

「世界唯一の表面特性試験法の普及を目指す」

公開


【松原 亨 氏 略歴】
生年月日:1952年2月23日 出身高校:長岡高専
1983年(有)松原技工設立(現マコー(株))、代表取締役就任。2005年同社代表取締役会長就任。2005年NPO法人長岡産業活性化協会NAZE初代会長就任。2009年福井大学院にて工学博士。2010年当社設立、代表取締役就任。日本トライボロジー学会、日本機械学会、日本材料試験技術協会などに所属。


【株式会社パルメソ】
設 立 :2010年5月21日
資本金 :48,750千円
所在地 :新潟県長岡市堺町194-7
事業内容:MSE (Micro Slurry-jet Erosion)事業、材料表面の機械特性試験装置の開発
従業員数:13名



世界唯一の表面特性試験法の普及を目指す


■創業の経緯

 当社はナノレベルでの測定・分析を可能にした材料表面特性を測るMSE(マイクロ・スラリージェット・エロージョン)試験法の研究開発と試験装置及び受託試験の提供を行っています。
 私は長岡高専を卒業後、機械設計業などを経て1983年に地元・長岡でマコー(株)を設立し、ウェットブラスト技術を用いた表面加工装置の製造・販売業を展開しました。1997年にマコーと福井大学岩井研究室との共同研究の中で、世界初の材料表面特性測定技術・MSE試験法を開発しました。この技術の早期社会実装に向け、マコーから独立する形でベンチャーとして当社を立ち上げました。

■あらゆる材料の表面強度や劣化を評価するMSE試験法

 MSE試験は材料表面にセラミック微粒子を高速でぶつけてエロ―ジョン(摩耗)させ、その摩耗速度から強さを導き出すことで、材料の強さ変化具合などをナノレベルで評価する試験法です。従来の方法では理由が分からなかった塗装のはがれの原因が分かるなど、これまで不可能だった評価測定が可能になります。超薄膜、多層フィルム、微小部品、三次元形状など、さまざまな形状や材質の試験が可能で、樹脂やゴムも変質無く試験できる点が特徴です。現在は試験装置の販売と、試験の受託を中心に行っています。

■今後の事業展開

 MSE試験法の活用を促進すべく、分析前処理用エッチング装置『PERET(ピーレット)』を開発しました。試料を切断せずに断面情報を表面から精密に得られるようになり、分析装置の利用範囲を広げることが可能になります。当社の技術を広く周知させるべく、ウェブ上でのPRや学会での発表、展示会出展等を積極的に行いながら国内外への販路の拡大を目指します。ものづくりの町・長岡には装置製作には高度な加工技術があり、開発や研究における大きなアドバンテージになっています。地域に根差した企業として成長を目指します。

※2019年10月号掲載時点での情報です