アイキャッチ

「サイクロイド減速機で日本のロボット開発を加速させる」

公開


【大石 克輝 氏 略歴】
生年月日:1998年11月28日 出身高校:長岡高専
長岡市出身。2014年5月15日に「ビッグストーン・ラボ」を設立。2018年11月当社設立、代表取締役就任。専門は機械設計・放電加工で、当社では経営戦略・技術開発・営業を担当。


【拾壱・ビッグストーン株式会社】
設 立 :2018年11月28日
資本金 :2,500千円
所在地 :新潟県⻑岡市若草町3丁⽬6番地6号 パールワインズ102号室
事業内容:ロボット等に使用されるユニットの新規技術開発 等
従業員数:7名



サイクロイド減速機で日本のロボット開発を加速させる


■長岡高専生による新潟県最年少起業

 当社は超小型サイクロイド減速機の開発を行っています。私はものづくりへの興味から2014年に長岡高専に進学し、「将来はロボットと人間が共存できる社会をつくりたい」という想いを抱いていました。入学3日後の合宿研修で「ベンチャーの相方を探したい」という想いで高専に進学した野村と出会い、意気投合の末、当社の前身となるベンチャーサークル「ビッグストーン・ラボ」を設立しました。2015年から現在の事業の柱となる減速機の研究を始め、2018年に法人化しました。

■サイクロイド減速機の小型化・コスト削減を実現

 減速機とはモーターの回転を遅くする代わりに強さを上げる装置で、主にロボットの関節部分や自動車等に使われています。その中でサイクロイド減速機は小型で軽量という使いやすい製品であるものの、歯車の特性上強固な材料を使わなければならず、高価なため日本ではあまり普及していない現状があります。私たちは構造や歯車の形状を変えたことにより高強度化かつ従来比1/3以下の小型化に成功しました。減速機の小型化により従来は難しかった介護ロボットや家電などの小型製品での応用が期待されており、大手メーカーとの共同開発が進んでいます。当社の経営顧問のリバネス社からご紹介いただいた当社の法律顧問・鮫島正洋弁護士の指導の下、特許を出願中です。

■今後の事業展開

 ものづくりの町・長岡には機械加工、鋳造業などの基盤的技術をもった企業や大手メーカーが集積しています。当面は委託受注による小型機械や組込回路の設計・試作によって技術的なノウハウを蓄積しながら、既存事業の改良を進めます。将来的には減速機とモーター、センサー等を組み合わせたパッケージとして量産化を目指します。2019年8月にはにいがた産業創造機構と長岡市の補助金、協力企業の支援により広井工機の元社屋を改装したオープンイノベーション拠点「Tech Launcher(テックランチャー)」を立ち上げました。地元企業と協力しながら、新たな製品や技術の開発、起業を目指す学生たちに生産設備を安く開放する“オープン町工場”として共同開発の促進や新たなスタートアップ創出に貢献していきます。

※2019年10月号掲載時点での情報です