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「BAレシーバーの低価格化により、新たな市場を開拓」

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【山田 裕嗣 氏 略歴】
生年月日:1967年3月9日 出身高校:愛知県立熱田高等学校
静岡県立大学国際関係学部卒業後、スター精密㈱入社。2013年3月スター精密コンポーネント事業部のスピンオフとしてBSE JAPAN㈱を設立、代表取締役就任(現任)。2013年10月当社設立、代表取締役就任。

【COSMIC TRADING株式会社】
設 立 :2013年10月11日
資本金 :10,200千円
所在地 :静岡県静岡市清水区草薙1-13-19
事業内容:集音器および特殊ヘッドフォンの開発販売
従業員数:6名



BAレシーバーの低価格化により、新たな市場を開拓


■音に関する製品のプロフェッショナル

 当社は、スター精密(東証一部:7718)のコンポーネント事業部で小型音響部品に携わっていた技術・営業・品質管理のメンバーによって事業をスタートしました。補聴器・集音器・また業務用ヘッドセット、音楽用ヘッドフォン、ヒアラブル端末などは、技術・品質・生産のプロフェッショナルが集まっており、世界に通用する製品として打ち出しています。
 特に、BAレシーバーという小型・軽量・低消費電力のメリットがある電子部品において差別化可能なコア技術を有しており、独自性のある自社商品を通じて新市場を創造・開拓すべく開発を進めています。BAレシーバーのトップ2を占める欧米企業は設計が古く手動生産しかできませんが、当社が保有する特許技術では全てセミオートメーションでの生産が可能で、昨今、第三のメーカーとして台頭し始めている深センのBellsing社と生産面で協業を行っています。

■BAレシーバーを軸とする事業戦略

 大前提として、ヘッドフォンなどに使われるマイクロスピーカーに対して、BAレシーバーは非常に高価であったため、小型軽量・省消費電流などのメリットは認識されていながらも、高級補聴器などの一部の製品にしか使用されていませんでした。当社は、自動化技術、Bellsing社との協業によるスケールメリットから来る、BAレシーバーのコストダウンを推し進め、幅広い製品にBAレシーバーを採用できるようにしていきます。
①集音器事業:従来の高級補聴器は高度難聴者にも対応するものの非常に高価であるため必要な人に行き届いていないという現状があります。当社のBAレシーバーを用いて、誰もが手に届く価格で高級補聴器と遜色ない性能・機能を有する集音器の開発を進めています。当社がOEM供給を行った国内大手メーカーの高級集音器は、通信販売で2万円以下の価格帯を実現しており、数十万円する高級補聴器を購入出来なかった層が代替品として購入していく可能性はあると考えています。
②無線機向け同時通話システム事業:有線方式・交互通話タイプは既に日本中の騒音職場で使われていますが、ワイヤレス方式・同時通話タイプで騒音環境下でも支障なく通話できる新しいヘッドセットを今秋から販売開始します。日本中の騒音職場や、消防職員や警察職員などで大きな需要があると考えています。
③ヒアラブル端末向け事業:今後、ヘッドセットのワイヤレス化がますます進む中、スピーカーでは実現できないサイズ、デザインを実現出来する為に、BAレシーバーへの切り替えが進むのは時代の流れです。また、リーズナブルなオーディオ用ヘッドフォンの自社ブランドをインターネット経由で直販するモデルも検討しています。


※2019年9月号掲載時点での情報です