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「リファラル採用の活性化を通して、採用を「仲間集め」に変革します」

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【清水 巧 氏 略歴】
生年月日:1991年1月28日 出身高校:金沢桜丘高校
石川県出身。明治大学経営学部卒業。2013年Sansan(株)に新卒入社し、カスタマーサクセス部の立ち上げに従事。2014年1月、(株)Combinatorを設立、代表取締役就任。スタートアップ企業の仲間集めを解決するサービス『Combinator』を開発・運営する。現在は「採用を仲間集めに再定義する」をミッションに、リファラル採用を活性化するクラウドサービス『Refcome』を提供している。2017年11月、(株)リフカムに社名変更。

【株式会社リフカム】
設 立 :2014年1月24日
資本金 :311,000千円
所在地 :東京都渋谷区恵比寿1-20-18 三富ビル新館4階
事業内容:リファラル採用を活性化するサービス『Refcome』の開発・運営等
従業員数:29名



<起業家インタビュー>

リファラル採用の活性化を通して、採用を「仲間集め」に変革します


リファラル採用の活性化と社員のエンゲージメント向上によって
採用だけでなく紹介したい会社づくりに貢献するベンチャー


■社員の推薦による採用手法「リファラル採用」が注目されています。

リファラル採用とは、自社の社員の推薦による人材採用手法です。社員によるフィルターがかかるため、求人広告や人材紹介経由で出会えない転職潜在層と出会うことができ、早期戦力化や定着率の高さ、採用コストの圧縮など多くのメリットがあります。米国では既に主要な採用手法となっており、日本でも徐々に取り入れる企業が増えてきています。

■リファラル採用の活性化を促進するクラウドサービス『Refcome』の提供を行っています。

初めに人事が社内で募集したいポジションや紹介してほしい人材を登録すると、登録情報に基づき、社員にメールやLINEで募集要項が周知されます。社員は募集要項のページからスカウトのリンクを発行して自分の友人に送ることができ、友人がそのリンクから応募に進む仕組みです。人事は管理画面上でどんな人が誰の紹介でいつエントリーしたかを一元管理でき、現状のパフォーマンスとボトルネックを可視化することができます。

■『Refcome』の導入社数は累計850社を突破しました。

現在の顧客の中心は100名以上の比較的規模の大きな企業で、特にパート・アルバイトの採用を行う外食業や看護・介護の専門職の会社が多いです。従業員規模に合わせた月額利用料をいただくモデルで、平均顧客単価は5万円前後です。求人広告や人材紹介といった従来型の採用方法でコストが高く付きすぎている、採用目標が達成できないといった課題を抱えている会社を中心に自然流入で月間200~300件の問い合わせがあり、うち2~3割が契約に至ります。

■クライアントの組織改善への貢献を目指しています。

リファラル採用を活性化するには、前提として社員が友人に紹介したいと思えるような会社でなくてはなりません。そこで私たちは「より良い組織づくり」を支援すべく、社員のエンゲージメントを可視化・向上するクラウドサービス『Refcome Engage』の提供も行っています。匿名で回答できるアンケートを社員に送信し、「人間関係」「組織風土」等の11項目ごとに組織の強み・弱みを可視化することができます。さらに当社コンサルタントが個別ヒアリングを行うことで真の課題を分析するとともに、実際の改善アクションに繋がるワークショップの実施等のサポートを行います。

■起業の経緯を教えてください。

大学時代に怪我で駅伝を断念した後、偶然ベンチャーキャピタリストの講義を聞いて起業を志しました。スキルもノウハウもない状態で起業するより先にスタートアップで力をつけるべきだと考え、当時CM等で認知度が上がりつつあった名刺管理サービスのSansanに入社し、カスタマーサクセス部の立ち上げに携わりました。当初は3年程修行するつもりでしたが、会社の勢いや寺田社長の手腕に触れる中で早く自ら挑戦したいという想いが募り、1年も経たないうちに独立、当社を設立しました。

■故郷・石川での再出発を経てリファラル採用支援へのピボットを遂げました。

設立当初はスタートアップ向けに創業メンバーをマッチングするサービス『Combinator』を運営していました。サービスは好評で登録ユーザーは3万人を超えましたが、マネタイズに失敗し、資金も仲間も失って故郷の石川県に帰郷せざるを得なくなってしまいました。 再出発を図る中で、月に数回東京で『Combinator』の登録者向けの採用イベントを開催して資金を集めていました。そこで印象的だったのは、出展企業の多くは人事担当者のみがブースで対応している中で、当時未だ社員数が30人程度だったメルカリは社員全員がイベントに足を運び、気になる求職者に全員でアプローチしていたことです。メルカリのように、会社の規模が大きくなっても社員全員で仲間を集める仕組みを作れないかと考え始めたことが、リファラル採用支援サービス『Refcome』を立ち上げるきっかけになりました。

■近日中に新サービス『Refcome Teams』をリリースします。

現在のサービスは規模の大きい会社が中心顧客ですが、『Refcome Teams』は100人以下のベンチャーや小規模IT企業等をターゲットとしています。社員一人一人がリストアップした自分の周囲の優秀な人の情報を社員全体で共有し、協力して勧誘するシステムです。今までは社員一人で勧誘が難しかった「優秀かつ転職活動をしていない層」に対して上司や代表者からもアプローチすることで、よりハイクラスな人材への採用活動を強化することができます。今後は『RefcomeTeams』を通して新しいターゲット層の顧客獲得を強化しつつ、上場に向けて事業拡大を進めていきます。「採用を仲間集めに」という私たちのミッションが実現される世界を目指し、挑戦を続けます。

(2019.7.11 文責:大森)


※2019年9月号掲載時点での情報です