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「不可能を可能にする球状微粒子」

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【山田 展也 氏 略歴】
生年月日:1975年1月13日 出身高校:北陸高校
1998年福井大学工学部卒業後、サカセ化学工業㈱入社。2008年福井大学大学院工学研究科修了(博士(工学))。2010年㈱ナノリサーチ入社、研究開発部係長。2013年ブイ・エンジニアリング㈱入社、研究開発本部課長。2014年「NEDO・スタートアップイノベーター(SUI)支援事業」に採択。2015年3月当社取締役。2019年6月当社代表取締役就任。

【株式会社ケミカルゲート】
設 立 :2015年3月3日
資本金 :51,000千円
所在地 :愛知県名古屋市千種区千種2-22-8 名古屋医工連携インキュベータ 210
事業内容:微粒子の製造販売事業
従業員数:9名



不可能を可能にする球状微粒子


■微粒子製造プラットフォーム

 当社は、噴霧熱分解法をベースに、福井大学より取得した「微粒子高速製造」の特許、ならびに微粒子製造ノウハウを組み合わせた独自の球状微粒子製造プラットフォームをコア技術としており、数多ある微粒子製造技術と比較して、製造時間・微粒子化・粒子特性・均質性において圧倒的優位を誇ります。

■歯科領域への応用

 NEDOによる平成30年度「企業間連携スタートアップに対する事業化支援(SCA)」に採択され、大手歯科材料メーカーである㈱松風と上市に向けた共同開発を行っています。
 現在普及している人工歯は、強度・審美性・価格においてそれぞれ欠点があります。特に、近年の医学により重要性が明らかになった奥歯においては、高強度であるが保険適用されない高価な人工歯、もしくは保険適用され低価格であるが奥歯に使用する際は強度的な不安が残る人工歯しか存在しておらず、歯科材料メーカーは歯科医や患者の要求に応えられていません。これに対し、当社の技術を用いれば高強度かつ低価格な人工歯を実現でき、約1,000億円(2020年)と言われる世界の人工歯市場で大きなシェアを獲得することが期待できます。

■世界最高性能の「負熱膨張球状微粒子」の開発に成功

 当社の技術を用いて、名古屋大学大学院工学研究科の竹中康司教授が発明した世界最高性能の負熱膨張球状微粒子(CG-NiTE)の開発・微粒子化に成功しました。負熱膨張とは、温度が上がると収縮する特殊な材料を指し、通常の膨張する材料と混ぜることで熱膨張の制御を行うものです。CG-NiTEは、これまでの負熱膨張素材の様々な課題を根本解決できるもので、プロセス・計測・光学・電子デバイス・航空宇宙などの幅広い産業分野で実用化されることが現実的になります。1月末に出展した『nanotech2019』以降、様々な分野の企業からサンプルの引き合いをいただいており、いち早く社会実装ができるよう、さらなる技術革新や事業モデル確立に取り組んで参ります。

※2019年7月号掲載時点での情報です