「(株)マイルシェア、(株)MOSO Mafia」
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森田氏は、現場作業員から、携帯電話業界を含む多くの事業の営業に転職し、2015年にIRGホールディングスを設立し、2018年には共同創業者である大下紀孝氏(代表取締役社長)と共に、ポイント・マイルのシェアリングサービス企画運営事業として当社を設立しました。設立1年目で5年後の2023年にIPOを考えています。
渡邉氏は、2015年「手に職を持つ」フリーランサーが誰でも簡単にホームページを作成できるアプリ『Summon(サモン)』を開発し、2017年よりサービスを開始しました。フリーランサーに、ネット予約・決済・売上・顧客管理をワンスストップで提供し、決済手数料・月額定額利用料+レベニューシェアの収益モデルで、2022年にIPOを考えています。
両社の解決すべき課題について講評・総括いたします。
No.959 株式会社マイルシェア(共同創業者 森田 宣広 氏)
①日本人の7割が未活用のマイルを、海外マイルプロバイダーの活用でシェアを
日本ではマイルの直接売買は禁止されています。世界航空業界の3大グループ内では既に行われている第三者に航空券付与が可能な航空会社のマイルを持つ世界中のポイント・マイルプロバイダーとネットワークを築き、飛行機に乗りたい日本のユーザーをマッチングし、マイルを譲渡するシステムの運用で、合法的な取引の実現が可能になります。マイルプロバイダー75%、システム利用料として当社25%の配分になります。飛行機の移動コストが高すぎる日本のビジネスマンには新たなサービスです。世界の常識・日本の非常識を活用した新たなビジネスですが、日本では直接売買禁止のグレーゾーン領域です。法的リスクへの理論武装が不可欠で、サンドボックス制度の可能性も検討ください。②世界初の新事業に対する新規事業参入障壁の構築
飛行機移動に関するポイントやマイルの直接売買を回避する世界初の新事業と言えますが、発行体自体がこのビジネスに乗り出しても、競争優位が維持できる参入障壁には、ビジネスモデル特許の取得やブランドの構築が不可欠で、先行逃げ切り型しかありません。日本での認知と同時に米国進出を考えていますが、同一システムの事業対象横展開によるプラットフォーマーとしてスピード感を持った参入障壁を期待したい。③共同代表の力を活かした強力経営チームの維持
大下氏及び森田氏共に、シリアルアントレプレナーであり、現場感覚に対する独特なセンスがあるところが、共感・協創の原点になっています。創業時からの共同代表ビジネスでの成功モデルは過去に例がありません。役割分担を明確にし、外部の支援者のネットワークを強化し、2023年IPO時点には真のユニコーンベンチャーになっていることを期待します。No.960 株式会社MOSO Mafia(代表取締役CEO 渡邉 大介 氏)
①業界特化型SaaSとの競争優位性の確保
美容師、エステティシャン、料理等手に職を持つ方々は誰でも、ワンストップでHPの開設からネット予約・決済・売上・顧客管理で提供できるSaaSビジネスですが、すでにある程度の市場規模の業界には、業界特化型の先行サービスを提供している競合相手がいます。彼らからの乗り換えを誘導するために、業界インフルエンサーの囲い込みがどの程度可能かにかかっています。知財・ブランド・スピードで参入障壁を構築することを期待します。②株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」の活用と株主管理
2017年と2018年に株式投資型クラウドファンディングで資金調達をしました。クラウドファンディングは、単に投資を受けるだけではなく、事業の市場評価を兼ねていますが、逆に多くの株主を生みます。IPOに向けて、株主管理のコストの増加及び好ましくない株主のチェックが不可欠になります。加えて、今後種類株式発行を行うことがあれば、株主権利関係が異なりますので、株主総会も別途必要になります。今後の資金調達方法には注意しましょう。③手に職を持つ誰でも起業可能な総合的社会づくりへの期待
超高齢社会に入り、日本の社会保障費(年金・医療関係)の国家予算が50兆円を超え増え続けています。少子化時代の若者が自らの将来設計をするためには、社会保障制度依存型からの脱却と自律が不可欠です。手に職を持つ方々が、組織依存型から0→1の起業や1→10の事業拡大による自律支援するのが当社の事業です。売上管理に加えて、簡易に電子申告・節税できるまでの一体的サービスを提供することによって、囲い込みが容易になる可能性があります。誰でも起業可能な社会づくりを目指すインフラとして期待します。2019年3月4日インデペンデンツクラブ月例会 東京21cクラブにて