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「旅行業界に特化したAIチャットサービスを提供します」

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【高橋 和久 氏 略歴】
1976年生まれ。北海道大学・同大学院卒業。A.T.Kearnyでは戦略コンサルタントとして、Philip Morrisではマーケティング及びセールス、Amazonではファッション事業部にて事業部長、Coca-ColaではEC部門の立上げを行い、2015年9月にtriplaへ参画。Wake Forest大学MBA。

【tripla株式会社】
設 立 :2015年4月15日
資本金 :100,000千円
所在地 :東京都中央区新川1-22-13 新川I&Lビル6階
事業内容:インバウンド旅行客向けを中心としたAIと人のハイブリッド型チャットボットサービスの提供、アプリ開発およびシステム開発
従業員数:57名


<起業家インタビュー>

旅行業界に特化したAIチャットサービスを提供します


AIチャットボットでホテルの多言語対応を支援するベンチャー
グローバル企業で海外ビジネス経験を積んだ起業家


■外国人の宿泊予約への対応が、日本の旅行業界では急務です。

ホテルや旅館では宿泊者からのレストランの予約依頼や宿泊設備についての詳細な問い合わせなどが大きな負担となっていますが、多言語対応のための人材確保は難しい現状があります。2018年には訪日外国人が3000万人を突破し、2020年には4000万人に達すると言われる中、ますます負担は大きくなると予想されます。

■人手のいらないチャットボットでの問い合わせ対応に注目が集まっています。

当社はホテルのホームページ向けのAIチャットボットサービスの開発・提供を行っています。当社のシステムを導入することにより施設へのメールや電話を最大で60%削減することができ、問い合わせ対応にかかるコストを大幅に削減することが可能です。全国約350施設で導入されており、毎月6万人以上からの問い合わせに対応しています。

■チャットを通してホテルの宿泊予約も可能です。

問い合わせの約半数が予約に関する質問であることに注目し、チャットボットから直接宿泊予約ができる仕組みを構築しました。チャット上に他社の旅行予約サイトとの宿泊プランの料金比較を表示し、ホテルの自社サイトでの予約を訴求します。旅行客に安価な宿泊プランを提案できるだけでなく、旅行予約サイトへの手数料を払わずに済むためホテル側の利益増にも貢献しています。

■事業を始めた経緯を教えてください。

私は外資系企業数社を経て、2011年にアマゾンジャパンに入社しました。当時の同僚である鳥生氏が独立したことがきっかけで、共同創業者として参画しました。これまでIT化が進んでこなかった旅行業界でAIやチャットボットを活用し、外国人観光客の旅マエから旅ナカを快適にするためのサービス提供を目指しています。あくまでマーケットイン型のビジネスモデル構築を軸として、ITによる旅行業界の課題解決を行っていきます。

■AIの回答率は85%以上という非常に高い水準です。

2018年に当社独自に開発した自然言語処理エンジンを中心に活用しています。当社はAIによる自動回答に加えてオペレーターによる対応を行っており、オペレーターによる回答後はすぐに機械学習のアルゴリズムにデータを入力するため、自動回答率の飛躍的な向上に貢献しています。旅行業界に特化しており、700万以上の旅行客との会話が過去2年以上蓄積されている点も当社の強みになっています。問い合わせのパターンだけで既に60万種類に対応しています。

■なぜ0.5%以下という低いチャーンレートを実現しているのですか。

営業よりもプロダクト開発にフォーカスしており、顧客の要望をヒアリングして実際に開発してから導入していただくケースが多いためです。ベトナムにオフショアのエンジニアを雇っていた時期もありましたが、時間的な制約が厳しく社内にエンジニアを持つ方向に転換しました。従業員50名のうちエンジニアは15名程度で、ほぼ全員が日本在住の外国人で構成されています。彼らとは基本的に英語でやりとりしています。

■海外展開にも期待できそうですね。

まずは訪日外国人観光客の多い台湾や香港に進出し、既に高精度である中国語のチャットボットを活用します。さらにその土地を訪れる観光客の多い国へ進出することでリスクを下げ、AIの精度を維持したまま効率的に海外進出を拡大します。また、時差のある国に拠点を置くことでオペレーターの24時間体制への負担を軽減する狙いもあります。

■今後の事業展開についてお聞かせください。

他の事業者との提携によって、当社のチャットボットを通じてホテルの予約だけでなく、周辺のレストランやレクリエーション、レンタカーや各種交通機関の予約までを行えるように協業を進めています。最後の資金調達を直前に控えており、システムの機能改修を進めながら上場に向けた事業拡大を目指します。


(2018.1.30 文責:大森)


※掲載時点での情報です