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「無菌人工土壌で農業にイノベーションを」

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【荒磯 慎也氏 略歴】
1983年8月16日生まれ。北海道工業高校出身。北海道工業大学(現・北海道科学大学)卒業後、民間企業、地方市役所職員を経て、2015年(株)ラテラ設立、代表取締役就任。

【株式会社ラテラ】
設 立 :2015年7月17日
資本金 :550千円
所在地 :北海道札幌市西区福井2丁目6番23号
事業内容:無菌人工土壌によるインテリアグリーン用品の製造販売、植物工場システムの開発研究



無菌人工土壌で農業にイノベーションを



 2013年に北海道大学で開催した文科省事業のイノベーションマネージャー講座の受講生として起業家やキャピタリスト等の講座を受講し、事業アイデアを模索していました。畑仕事が好きだった大叔母が高齢者施設に入ったことがきっかけで、屋内でも使える土の開発を着想。実父である北海道大学名誉教授の荒磯恒久氏より技術指導を受け、まさに親子産学連携で研究開発を重ねながら、起業家を志すようになりました。2014年ピッチコンテストの優勝で得た賞金で本技術を確立、現在に至ります。

■虫・雑菌の心配がない新たな土『Crystal Grain』

 『Crystal Grain(クリスタルグレイン)』は、ゼオライトの持つ”多孔質で分子を吸着する”性質を用い、肥料成分とFe-鉱物結晶錯体を吸着させた人工の園芸土壌です。虫が好む有機物が含まれておらず、室内でも高衛生な栽培を実現しました。2016年に「根菜栽培用人工土壌」として特許も取得しています。

 土壌は1袋(1,000ml)810円で販売し、バジルなどの種もセットにした栽培キット『CrystallCup(クリスタルカップ)』や、LED付き室内用植物栽培器『Crystal Farm(クリスタルファーム)』も取り揃えています。個人の方だけでなく、カフェ等の飲食店からも購入いただいており、栽培の快適さやインテリア性で好評を得ています。

■無菌人工土壌による次世代植物工場システム

 今後はこの無菌人工土壌『Crystal Grain』を用いた植物工場事業を計画しています。水耕栽培が主流である今日の植物工場は設備が複雑かつ高額である一方で、栽培できる品目は葉菜・小果菜のみと事業構造上の課題を抱えています。カビ・雑菌が発生しない『Crystal Grain』を活用すれば、設備がシンプルで安価になり、また全ての品種栽培も可能になるため、採算性も十分に期待できます。当社は土壌および土壌再生肥料の供給を主に担い、化学メーカーやICTメーカーとの共同開発によって植物工場のエコシステムを構築していきます。


※掲載時点での情報です