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「中枢神経疾患の画期的な治療技術を開発」

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【戸須 眞理子氏 略歴】
熊本県生まれ。八代高校出身。東京薬科大学卒業。明治薬科大学大学院課程外博士 薬剤師、薬学博士。国立がん研究センターならびに東京大学医科学研究所における研究生活を経て、外資系企業に転職し、研究からマーケティング本部長、事業部長、社長を経験。2017年3月(株)ブレイゾン・セラピューティクス代表取締役就任。

【株式会社ブレイゾン・セラピューティクス】
設 立 :2015年10月30日
資本金 :381,775千円
所在地 :東京都文京区本郷3-42-1 三友ビル201
事業内容:中枢神経領域に対する医薬品、診断薬、研究用試薬などの研究開発



中枢神経疾患の画期的な治療技術を開発



■東京大学・東京医科歯科大学発のバイオベンチャー

当社は東京大学大学院工学研究科の片岡一則特任教授(現ナノ医療イノベーションセンター・センター長)と神経内科医である東京医科歯科大学の横田隆徳教授との医工連携の共同研究により実現した血液脳関門(Blood-brain Barrier、以下BBB)を突破する新しい脳への薬物送達技術の応用・実用化を目的に2015年に設立され、2017年11月より本格的に事業を開始しました。

■高効率で薬剤を脳に送達できるBBB突破薬剤送達技術

BBBは脳血管内皮細胞にある生体内バリアであり、血液中の物質を簡単には脳に通さない仕組みであることから、抗体医薬や核酸医薬などの高分子薬剤を脳内に送達できないことが課題となっていました。当社のBBB突破薬剤送達技術は、脳がブドウ糖を選択的に取り込む機構を利用して、薬物を内包する表面を修飾したナノ粒子(グルコース修飾ナノマシン)を血糖の変動によって脳に高い効率で届けることにより、薬物を脳へ送達できる画期的な技術です。同技術は日本と米国で特許化しており、当社は独占ライセンスを取得しています。

■認知症などの中枢神経疾患の治療薬として活用

高齢化に伴い、認知症やパーキンソン病などの患者数は年々増加しており、中枢神経疾患の国内医薬品市場は2025年には6487億円に達すると予測されています。早急な治療法の確立が求められているなか、当社は中枢神経疾患の治療に貢献すべく国内外の製薬企業との共同研究を進めています。脳内への薬剤送達技術を、創薬基盤技術として実用化レベルまで開発し、製薬企業ならびに診断薬企業への技術ライセンス、創薬アライアンスを目指します。また、アカデミアとの共同研究により、創薬シーズの開発にも取り組んでいきます。

■今後の事業展開

2018年7月に第三者割当により6.4億円を調達しました。これにより、本格的に研究開発を推進しナノマシン供給体制の拡充を図ります。また、今後は、BBB通過型ナノマシンを利用した自社創薬シーズの開発にも着手します。BBB突破薬剤送達技術導出によるプラットフォーム事業を展開することで、中枢神経疾患に苦しむ世界中の人々にいち早く画期的な治療薬を届けられるように努めていきます。


※掲載時点での情報です