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「ジェネリック医療機器で世界の医療空白地帯を埋める」

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【河村 哲氏 略歴】
1972年生まれ。桐蔭学園高校出身。京都大学大学院工学研究科修了後、住友ベークライト(株)入社。エンジニアとして電気電子部品向け高機能樹脂の開発や、絶縁材料の開発リーダーを担当。2005年(株)ドリームインキュベータ入社、大企業の技術系事業戦略・新規事業立ち上げ戦略策定、技術系ベンチャー企業の事業運営支援・投資・上場支援・民事再生等に従事。2011年当社設立、代表取締役就任。

【レキオ・パワー・テクノロジー株式会社】
設 立 :2011年11月24日
資本金 :77,195千円
所在地 :沖縄県那覇市西1-20-13 たまきビル3F
事業内容:超音波画像診断装置の開発・設計・販売



ジェネリック医療機器で世界の医療空白地帯を埋める



■創業経緯

当社創業後、2013年より参加したスーダン共和国におけるドクターカー(巡回医療)事業で、妊婦や胎児の深刻な保健課題を目の当たりにしました。日本の産婦人科では当たり前のように配備している超音波プローブ(超音波診断装置)を、スーダンをはじめとする途上国でも普及させることができれば、多くの妊婦を助け不幸を減らすことができると考え、現在に至ります。

■途上国向けにジェネリック医療機器を展開

特許権が期限を迎えた技術を活用し、途上国向けに独自に設計した超音波画像診断装置「US-304」を2015年に開発しました。ジェネリックである点に加え、汎用PCやタブレットで使用できるので表示デバイス分のコストを削減。また、独自の機能「SyncView」は撮影部位・角度をより感覚的に確認することができ、走査する手元の画像と超音波画像がセットで記録されるため、国内でもエコー教育用として販売することで量産効果による低コスト化が可能になりました。結果、従来品と比較して1/10と圧倒的低価格(税込198,000円)を実現しています。
 
なお、PCのUSB接続で駆動電力を確保できるようにすることで野外や不安定な電力事情でも使用可能で、万一の故障・破損においても、分解や修理ではなく、現地の弊社エージェントによる交換対応をするなど、使用環境にも考慮された仕様になっています。

■沖縄から世界に発信

2015年にスーダンにおける医療機器認証を取得し、現地での販売総代理店を開設しました。平行して、JICA中小企業海外展開支援事業として、45人の助産師に対して当社製品の管理方法や検診による異常発見後の処置方法について研修を行いました。これらスーダンで得られたノウハウを、途上国中心に約50カ国に向けて現在展開中です。私自身は沖縄にゆかりがあったわけではありませんでしたが、縁があってたどり着いたことに感謝し武器を持たず平和を愛する琉球人の精神に倣って社名をつけています。2017年8月には沖縄振興開発金融公庫や沖縄海邦銀行より出資もいただいています。ここ沖縄から、医療空白地帯のない世界の実現に向けて、世界が必要とするソリューションを発信しつづけていきます。


※掲載時点での情報です