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「北大発 脂質ナノ粒子製造技術を活かしたリポソーム製剤受託・創薬開発ベンチャー」

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【須佐 太樹氏 略歴】
1974年9月13日生まれ。長岡工業高等専門学校出身。京都大学卒業。総合研究大学院大学修了、博士(理学)。北海道システム・サイエンス(株)、国立遺伝学研究所、北海道大学知的財産本部(現 産学・地域協働推進機構)を経て2016年6月より現職。HITSプロモーター(同)代表社員を兼務。

【ライラックファーマ株式会社】
設 立 :2016年4月18日
資本金 :14,100千円
所在地 :北海道札幌市北区北21条西12丁目コラボほっかいどうCルーム
事業内容:創薬事業、創薬支援事業、脂質ナノ粒子製剤製造受託・共同開発事業


北大発 脂質ナノ粒子製造技術を活かしたリポソーム製剤受託・創薬開発ベンチャー


2018.10.16北海道インデペンデンツクラブの様子

■リポソーム(ミセル)製剤デバイスによる受託開発

2018年4月から、北海道大学の研究成果である脂質ナノ粒子製造技術を活用したリポソーム製剤受託を行っています。リポソーム製剤は微小な脂肪様の粒子の中に活性型の薬物を封入したもので、リポソーム製剤化により腫瘍など患部への薬物蓄積性を高めることができるため、抗がん剤などに利用されています。北大と独占ライセンス契約を結んでいる脂質ナノ粒子製造デバイスiLiNP™は、従来の製剤技術と比較して均一な粒径で効率良く生産できるなど多くの優位性を持ちます。この技術を活用して、現在は製薬会社からの製剤受託実績があります。

■ビジネスを支える技術エキスパート

博士課程在籍時から、研究者ではなくビジネスの道に進むことを決めていました。北海道大学知的財産本部に転職し、10年以上特許の管理やライセンス交渉等の支援に携わりながら先端技術系スタートアップのビジネスについて学びました。2016年に現在の当社の研究シーズに出会い、是非事業化したいという想いで当社を設立しました。

当社は日本ロシュ、中外製薬で低分子医薬品の研究開発に従事した堺谷政弘を取締役に、脂質ナノ粒子製造デバイスiLiNP™の主要発明者である北海道大学の渡慶次学教授と真栄城正寿助教をアドバイザーとして技術基盤を確立しています。それぞれの知見を活用し、国内の大学と製薬会社の橋渡し役として安全性の評価や動物実験などを行い、製薬会社への導出を促す創薬支援事業も行っています。

■自社での創薬開発を目指す

将来はリポソーム製剤技術や創薬支援のノウハウを活かして様々な治療薬の開発を進めます。公的資金やプロジェクトベースのスポンサー提携によって資金を調達し、5~6年の開発ののちに導出します。技術的な課題をクリアするための研究をはじめ、対象疾患を拡大するための探索的な研究も進めています。