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「人間の生活を豊かにするパートナーとしてのロボット開発」

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【髙本 陽一氏 略歴】
1956年生まれ。福岡県立小倉高等学校出身。神奈川大学法学部卒業後、大阪市の産業機械製造会社に入社。その後、髙本商会に専務として入社。2000年(株)テムザックを設立し、ロボットの研究開発・製造販売に携わる。

【株式会社テムザック】
設 立 :2000年1月4日
資本金 :382,000千円
所在地 :福岡県宗像市江口465番地
事業内容:サービスロボットの開発・製造・販売



人間の生活を豊かにするパートナーとしてのロボット開発



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■ロボット開発のパイオニアカンパニー

当社は1993年からサービスロボットの開発を始め、クライアントのニーズをロボット化により解決する受託開発事業を中心に行ってきました。2000年の災害救助ロボットの開発を皮切りに、警備ロボットや危険物処理作業ロボットなどの人間には危険な作業や人間には不可能な作業を行う様々なロボットを生み出しています。独自のロボット研究開発ネットワークを活用し大学や大手企業と共同で開発を行うことで、技術力とスピードの双方を兼ね備えた開発が可能です。例えば積水ハウス(株)と共同で開発した天井施工ロボットは2台1組で駆動し、ロボット同士が相互に指示を出し合いながら石膏ボードの運搬やビス打ちを行います。

■車いす型ロボット『RODEM(ロデム)』の量産展開

近年は受託開発で培った技術やネットワークを活用し、自社製品の量産展開を進めています。2009年には介護者と被介護者の双方の負担を減らすことで誰もが暮らしやすい社会を実現しようという想いから『RODEM』を開発しました。『RODEM』はロボット、モビリティ(乗り物)、車いすとしての役割を1台で果たす次世代型スマートモビリティです。前方から座るのではなく車体の後方から乗る形にしたことで、ベッドや椅子からの乗り移りをスムーズに行うことができます。歩行者と視線の高さが同じになるので会話がしやすいほか、シートが前傾し、身体を前に倒すことができるため、食事や洗面台を利用しやすくなります。2014年にNEDOの支援を受けてデンマークでの実証実験を行い、テスト結果をもとに更に実用化に適した機能・ユーザビリティを向上させました。

■今後の事業展開

『RODEM』は2017年11月から屋内用モデルの販売を開始しており、2019年に1,000台を販売します。拡販を進めつつ屋外用モデルの実用化に向けた実証実験を行い、将来的には観光地などで一般層にも利用されることを目指します。『RODEM』の量産化に向けて、2018年中の資金調達を検討しています。受託開発したロボットについては、自社ブランド品としての提供に向けて当面は改良品の開発を進めます。人間にとって信頼できるパートナーとしてのロボット「X-ROID」の開発を通して、人とロボットが共生する社会の実現に向けて事業を進めていきます。