「APIエコノミー 勝ち組企業が取り組むAPIファースト」
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AOSテクノロジーズ(株)
代表取締役社長 佐々木 隆仁 氏
1965年5月20日生まれ。都立井草高校卒業。
1989年早稲田大学理工学部卒業。
1989年富士通に入社後、OSの開発に従事。
1995年社内ベンチャー公募制度を用い、株式会社アルファ・オメガソフト(現・AOSテクノロジーズ)を設立。代表取締役就任。
2013年AOSリーガルテック株式会社を設立、代表取締役に就任。
【(AOSテクノロジーズ(株) 概要】
設 立 :1995年3月31日
資本金 :480,000千円
所在地 :東京都港区虎ノ門5-1-5 虎ノ門45MT森ビル5F
事業内容:ソフトウェア開発販売(データ復旧/バックアップソフト他)
子会社 :AOSリーガルテック株式会社(リーガルテクノロジーサービス)
URL :http://aostech.co.jp/
(株)バイオーム
代表取締役 藤木 庄五郎 氏
1988年7月生まれ。大阪府立天王寺高校出身。2012年3月京都大学農学部卒業。2017年3月京都大学大学院博士号(農学)取得。2017年5月(株)バイオーム設立、代表取締役就任。
【(株)バイオーム 概要】
設 立 :2017年5月31日
資本金 :1,000千円
所在地 :京都市下京区中堂寺南町134番地
事業内容:生物多様性定量化プラットフォーム、生物情報アプリ開発運営
URL :https://biome.co.jp/
【特別対談】AOSグループ×(株)バイオーム
「APIエコノミー 勝ち組企業が取り組むAPIファースト」
藤木社長へのインタビュー
(インタビューアー AOSグループ代表 佐々木隆仁 氏)
佐々木:バイオームの事業について、教えてください。
藤木:世の中の生き物のデータを取集して、ビックデータ化して、生物データベースのプラットフォームを作っていくことを目指しています。佐々木:具体的には、どうやって、生物のデータを集めるのですか?
藤木:死蔵している学術的なデータを集めたり、スマートフォンのアプリを使ってデータを集めるという2つの方法でデータを集めています。佐々木:どういうアプリを作っているのですか?
藤木:バイオームというリアルポケモンのようなアプリを作成しており、ゴールデンウィーク前にβ版を出す予定で開発を進めています。佐々木:バイオームのアプリの特徴を教えてください。
藤木:バイオームのコア技術は、生き物の名前判定機能にあります。独自技術で撮影した写真と位置情報、環境情報、環境条件のパラメーターを使って生き物の情報を特定します。例えば、鳥が飛んでいる写真を撮影できたとしても、その画像データだけでは何の鳥かを特定するのが難しい場合も、季節の情報や位置情報、生息情報などを組み合わせてAIで判定することで、何の鳥かを特定できるというのが特徴となります。佐々木:なかなか面白い機能ですが、このデータベースは色々なことに使えそうですが、このビジネスをどういう形で広げようと考えていますか?
藤木:この生き物判定の仕組みをAPI(Application Programming Interface)で提供して、別のアプリから使えるようにしようと計画しています。APIの公開は、来年以降を予定しています。佐々木:リアルポケモンのようなアプリを開発する目的は何ですか?
藤木:このアプリは、データの収集が目的です。多くのデータが集まったら、それを使って環境コンサルのビジネスをやりたいと考えています。佐々木:環境コンサルに興味を持っているのは、何故ですか?
藤木:現在、世界で絶滅危惧種は、25,821種類にも及ぶというデータもあるのですが、実は、正確なデータがないというのが実情です。生物の絶滅は、文明の進化と環境破壊により、加速されてしまうのですが、この問題を解決するためには、世界的な生物・環境データベースの構築が必要となります。バイオームは、それを構築するために活動しています。佐々木:なる程、非常に重要なテーマですが、このビジネスを成功させるためには、単独で生物情報を集めるのには、限界があるような気がします。AOSは、日本で初めてのAPI取引所となるAPIbankを設立しました。このAPIbankを通じて、様々なAPIと組み合わせて、開発者がアプリを構築できる環境を提供しています。もしかしたら、こういう生物判定の仕組みを使って、面白くゲーム性のあるものを作れる人は、別の人かもしれません。ですから、このユニークな生物判定のAPIをどんどん他の人が利用できる環境を提供すれば、様々な面白いアプリが生まれることを期待できますね。それによって、生物データベースが充実することで環境破壊問題に少しでも役立つ情報が集まればいいですね。
藤木:環境破壊の問題は、経済の仕組み上、しょうが無いところもあります。森林伐採も経済合理性に従って行われていますが、実は、もう少し、マクロ的に考えると、あまり、合理的ではないのです。環境を残すことで経済的にもっとメリットが大きいこともあります。しかし、その認識を広げていくためには、自然環境を守ることがお金になる仕組みの構築が必要です。それが実現できれば、今までとは逆の動きを作り出すことができるのではないかと考えています。※「THE INDEPENDENTS」2018年5月号 - p24-25より