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「世界一効率的な代理店になり、インターネット広告代理店の働き方を変える」

公開

<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明 氏(写真右)
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)

<話し手>
株式会社カルテットコミュニケーションズ
代表取締役 堤 大輔 氏(写真左)
1983年11月生まれ。愛知県立岡崎高校卒業。静岡大学工学部システム工学科卒業。株式会社フリーセルにて営業職として従事し入社3ヶ月でMVPを獲得。その後、当社の前身の個人事業を創業後、2011年に法人化し当社代表取締役就任。

【株式会社カルテットコミュニケーションズ】
設 立 :2011年8月1日
資本金 :8,000千円
本 社 :愛知県名古屋市中区栄2-2-23 アーク白川公園ビルディング5F
事業内容:リスティング広告運用代行・運用ツール開発販売
URL :https://quartet-communications.com///

<特別対談>これからのIPOスタイル

「世界一効率的な代理店になり、インターネット広告代理店の働き方を変える」


■リスティング広告運用総合支援ツール『Lisket』

小原:インターネット広告市場は登場して以来伸長し続け、2014年には初めて1兆円を超える規模になりました。 堤:市場の4割近くをインターネット広告が占めていますが、実は大手広告主の数や予算は飽和状態で、市場の伸びは中小企業の広告参入によるところが大きいのです。当社はあえて中小企業に特化してリスティング広告の運用代行をおこなっており、トレンドに乗る形で5期連続で大幅に業績を拡大しています。

小原:貴社は中小企業が導入しやすいようにツールをパッケージ化して販売しています。
堤:リスティング広告業界は大きな成長を遂げている一方で、非効率で残業が多い傾向にあります。そこで当社は、リスティング広告運用者の業務を支援するためのリスティング広告運用総合支援ツール『Lisket(リスケット)』を自社開発しました。当初は自社の作業効率化のためのものでしたが、マンパワーに依存している業界を変えたいという思いから競合企業にも『Lisket』を提供するようになりました。

小原:『Lisket』の特徴を教えてください。
堤:『Lisket』は、リスティング広告の運用にかかる膨大な作業時間を圧倒的に削減することができるツール群です。アカウントの初期構築や競合調査、日々のキーワード追加などリスティング広告運用に必要となる様々な作業を自動化し、運用工数は5分の1程度までになります。Yahoo!やAdWords、FacebookとAPIで連携して、レポートCSVのダウンロードも含めて完全に自動でレポートの生成が可能で、様々なアカウントを『Lisket』上で一元管理することもできます。

■今後の事業展開

小原:中小企業をターゲットにしたビジネスモデルが貴社の業績伸長の大きな要因なのですね。 堤:我々は、大手広告代理店が引受けないような月額広告費が数万円程度の中小企業も対象にしています。正直いって大手のクライアントは欲しくありません。これからも小さな案件をコツコツと積み上げていきます。現在、クライアント数は約700社に及びます。

小原:インターネット広告の種類は、Yahoo、Google、Facebook、LINEなどいろいろありますが、別々に発注するのは面倒ですね。
堤:実は、代理店がインターネット広告を発注するところはずっとアナログのままなので、ここが次のビジネスチャンスと考えています。『Lisket』上で複数の広告発注をまとめておこなうことができれば、更なる効率化につながり代理店の働き方改革に貢献できると思っています。

■株式上場に向けて

小原:上場準備は順調に進んでいますか? 堤:管理部門の人材が課題でしたが、ようやく良い人材を採用することができました。内部体制が整いましたので、これから上場準備の実務を着実に進めていきます。

小原:貴社が経営理念に掲げている「世界一効率的な代理店」になるためには、知名度や資金力が必要です。上場はそれを実現するための重要な手段です。
堤:上場に向かうにあたり、今の社内の雰囲気を大事にしていきたいと思っています。数字に追われて大きな案件を取りにいくようなことはせず、いままで通り中小企業のリスティング広告運用代行に注力してきます。中小企業の営業力強化を通じて、日本企業の競争力強化に貢献していきたいと考えています。
小原:いろいろな経営者を見てきましたが、重要なのはマネジメントや内部統制ができているかではなくて、きちんとした企業文化を持っているかどうかです。これからも是非そこを大事にして事業に邁進してください。本日はありがとうございました。

※「THE INDEPENDENTS」2018年2月号 - p26-27より