「「クラウド型顧客管理システム『サスケ』」」
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<聞き手>
株式会社AGSコンサルティング
専務取締役 小原 靖明 氏(写真右)
1985年明治大学大学院法学研究科修了。1989年当社入社。2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。2007年合併に伴い、当社取締役就任。2012年3月常務取締役。2014年3月専務取締役(現任)
<話し手>
株式会社インターパーク
代表取締役 舩越 裕勝 氏(写真左)
1973年9月8日生。1995年3月湘南工科大学機械工学部機械工学科卒業後、株式会社ムトウ(子会社 エムエムアンドニーク大阪支店)入社。1997年8月財団法人札幌市環境事業公社入社。2000年6月それゆけ僕らの有限会社(長野県岡谷市)を友人と創立(起業・株主として参加)。2001年7月有限会社ちえぶくろ設立(現:株式会社インターパーク)、代表取締役就任。
【株式会社インターパーク】
設 立 :2001年7月13日
資本金 :20,000千円
所在地 :北海道札幌市中央区大通西10丁目4 南大通ビル2F
事業内容:クラウドサービス「サスケ」開発運用
URL :http://www.saaske.com///
<特別対談>これからのIPOスタイル
「クラウド型顧客管理システム『サスケ』」
■見込み顧客を最適な形でフォロー
小原:エクセルや紙媒体では難しかった見込み客のリード管理(履歴管理)に焦点をあてています。舩越:『サスケ』はテレアポや展示会で名刺交換したり、実際に商談や取引を行う前の顧客の情報整理・蓄積・分析をおこなうリードナーチャリング(見込み顧客管理・育成)システムです。「データマージ」「名寄せ」の機能など営業情報の入力負担を最大限おさえた仕様になっていることが特徴です。月額基本料20,000円~、利用アカウント1,000円/ID(利用状況によって金額変動)から利用することができ、大手企業から中小企業まで業種・規模問わず1,000社以上の導入実績を有しています。
小原:Oraleやマルケトなど他社製品に比べて価格が非常に安いですね。
舩越:月額何十万円もする高額な製品では大企業しか使えません。年間マーケティング予算が数百万円というお客様も多数いますので、その方々をターゲットにして月額数万円からご利用いただけるようなシステムを提供しています。
小原:SFA(営業支援システム)やMA(マーケティング・オートメーションツール)とは何が違うのでしょうか。
舩越:SFAは案件化した後から顧客管理までを主体としていますが、『サスケ』はマーケティングから案件化までのリード管理が主体となっています。また、多くのMAツールは、ネット上で完結するインバウンドマーケティングが中心ですが、『サスケ』はリードデータの一元化技術を活用したインサイドセールスなどのオフライン機能も充実しています。
小原:北海道の会社ですが東京にも拠点をお持ちですね。
舩越:拡販のためには首都圏での新規開拓が重要になると思い、約10年前から東京都渋谷区に支店を置いています。
■AI導入による業務効率化を目指す
小原:2017年5月より「北海道大学」の調和系工学研究室とAI技術に関する共同研究を開始しました。舩越:AIによる名刺画像データの自動データ化技術を用いた『サスケCloud Scan』を共同開発しています。名刺上に記載されている会社名や氏名といった情報を光学文字認識(OCR)を利用して自動データ化するだけでなく、手修正を行った文字をシステムが機械学習することで継続的にデータ化精度を改善していきます。
小原:Sansan(株)の名刺管理アプリ『Eight』が競合になるのでしょうか。
舩越:当社はメモ、アンケート、提案書、契約書、申込書など会社内のあらゆる紙資料をデジタル化していきます。AI導入によりデータ入力作業をなくすことができれば、ワークスタイルに変革をもたらすことができると考えています。
■今後の事業展開
小原:現状、『サスケ』は代理店での販売は難しく、営業マンが手売りしないと売れない商品になっています。販売戦略を変えれば売上は格段に伸びると思います。舩越:今までは展示会などで地道な営業をしていましたが、今後はWEBやTVCMも積極的に行っていきます。10月にリリースする新製品『サスケCloud Scan』は、札幌限定でTVCMを流す予定です。
舩越:2017年4月、札幌市経済観光局「IT産業海外展開支援事業ローカライズ支援事業」の採択を受け、2017年9月に中小企業基盤整備機構より「海外ビジネス戦略推進支援事業」に認定されました。今後はこれらの補助金や支援制度を活用して現在のサービスのローカライズや海外を視野に入れた商品開発を行い、まずはシンガポールに販路を拡大する計画です。
小原:シンガポールは、英語圏で且つアジアの中心都市であり、日本以上に人件費や地価が高い場所ですので、業務効率化に対する意識は高いと思います。但し、海外展開する場合は、機能はできるだけシンプルにした方がよいです。
舩越:現地で法人を設立したいのですが、人材も経験もないので不安です。
小原:シンガポールには弊社の支社がありますので、いろいろとお手伝いできると思います。シンガポールを起点として、グローバルな事業展開を目指してください。本日はありがとうございました。
<対談を終えて>
小原:世の中にはあまり普及してはいないが優れたシステムやソフトが数多くあります。そのほとんどの原因は、拡販がうまくいかなかったことによるものであると思われます。そのようなことにならないように今後は「サスケ」のマーケティング戦略を充分に練って欲しいと思います。できればしっかりと資金調達をした上で、拡販を行ったり、海外で一定の成果を出し逆輸入で国内での普及を図ることも一つの戦略だと思われます。社長にはそれが出来るバイタリティがあることを感じてました。舩越:弊社は創業17年をかけてようやくサービスをひとつ育て、事業のスタートラインに立てたベンチャー企業です。インターネットやAIなどで、ビジネスを取り巻く環境や仕事のやり方が変わっていく今、私たちは世の中の課題を解決するための新しいサービスを創造するメーカーでありたいと考えています。これから、私たちは技術によってビジネスをもっとシンプルにする新しいサービスをリリースして参ります。これからの弊社にご期待ください。
※「THE INDEPENDENTS」2017年10月号 - p22-23より