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「ペットが幸せになれば、人はもっと幸せになれる」

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【堀 宏治 略歴】
1969年7月9日 桐蔭学園高等学校、法政大学経済学部卒業。NTTデータで病院情報システム開発に10年携わる。その後、Johnson&Johnsonにて病院経営コンサルティングに3年携わり、2003年、Global Health Consulting Japanを3人で起業、取締役副社長。その後、(株)メディカルアーキテクツを起業、代表取締役。(株)girasolに事業売却。2012年に株式会社ぺっとぼーどを起業、代表取締役。2015年に株式会社ペットボードヘルスケアを設立、代表取締役就任。

【(株)ハチたま 概要】
設 立:2015年3月20日
資本金:24,000千円
主要株主:堀宏治、森永製菓、第一勧業信用組合(かんしん未来ファンド)、アクトコール、ゼロワンブースター、エンジェル投資家
所在地:東京都港区白金1-13-2-1F
事業内容:ペット関連サービス


<起業家インタビュー>

(株)ハチたま(旧:(株)ペットボードヘルスケア) 堀 宏治 氏

「ペットが幸せになれば、人はもっと幸せになれる」


ペット×ヘルスケア×IoTでペットの健康管理をサポートし、
飼い主の経済的負担の軽減を目指すシリアルアントレプレナー

■ 現在の会社を起業する前に、2社の起業、イグジットを経験されています。

新卒でNTTデータに入社し、病院のシステム開発に約10年間従事した後、2006年に病院のデータ分析を行う(株)メディカルアーキテクツを創業、同社を3年で業界No.1 に育てあげました。しかし、データベースが膨大になりシステムの見直しが必要になったことから、2011年に(株)girasol(ヒラソル)に事業売却しました。

■ 東日本大震災がペット関連事業に進出するきっかけになりました。

(株)メディカルアーキテクツの売却直後に東日本大震災が起きました。私も犬を飼っていましたので、被災地でペットと一緒に住めなくなってしまった状況を目の当たりにして、ペットを社会問題として認識するようになりました。そこで、動物愛護活動をするためのWEBサイト制作資金20万円をクラウドファンディングで資金調達したことをきっかけに、2012年に(株)ぺっとぼーどを設立しペットサロンの運営を開始しました。前職で人のヘルスケアに関する仕事に従事した経験を、ペット事業にも役立ていきたいと考えています。

■ ペットサロンは1年で黒字化しました。

出店した小田原はペットサロンの激戦区でしたので、何か新しいことができないかと考え、月額2,000円で歯磨き受け放題サービスを開始したところ大変好評をいただきました。お客様と信頼関係ができペットについての健康相談を受けるようになり、オンラインでペットの健康サポートを行うため、2015年に当社を設立しました。

■ 現在はペットのための新しい会員制ヘルスケアサービス「ハチタマ」を新たに展開しています。

「ハチタマ」とは、IoTを活用してペットの健康管理を支援するヘルスケアサービスです。適切な食生活を実現するために提供しているのが、月額500円でレンタル可能なカメラ付き自動給餌器「スマートごはんサーバー」です。スマホアプリと連動しており、タイマーでセットして1日4回まで自動でフードをあげることができます。給餌器のカメラによって留守中もペットの様子を把握できます。

■ 収益モデルを教えてください。

メインとなる収益は、国内で唯一第三者機関から認定された健康志向のオーガニックペットフードの販売です。フードは一度食べ始めると継続して購入いただけるので、安定した収益源になります。また、定期的な健康チェックの実現のため「ペットケアシッターTM」というサービスを提供しています。動物看護士が自宅に訪問し、ペットの歯磨きやマッサージ、健康チェックを1回2,700円で行います。

■ 成長を続けてきたペット市場にも変化が起きています。

国内には犬猫合わせて2000万頭が飼育されていますが、高齢化が進みペット医療費が過去5年で1.5倍と増加しています。また、頼りになるはずのペット保険の加入率は全体の飼育頭数の約5%に留まっているのが現状です。なぜなら、現在のペット保険は金額が高いうえに、シニアになると入れないなどの問題点があるからです。私達は、ペットの医療費問題を、ペットのヘルスケア(=予防医療)という観点から解決したいと思っています。

■ 2017年2月にシードラウンドの資金調達を行いました。

今まで起業した際は自己資金だけで外部の出資は一切受けておりませんでしたが、「ハチタマ」の展開を加速していく目的で、森永製菓・第一勧業信用組合・アクトコール・01booster・日本政策金融公庫から、総額4,000万円の資金調達を実施しました。

■ 本日はどうもありがとうございました。最後にこれからの事業展開について教えてください。

5年で「ハチタマ」会員10万人の獲得、売上50億円を目指します。そのために今後はペットフード事業を強化していきます。また、従来の仕組みとは全く違うペット保険も開発中です。これまで培ったヘルスケアとIT技術のノウハウを活かし、ペットの健康状態に関するデータを集め、健康改善につながるIoTサービスを提供するヘルスケアプラットフォームを構築していきます。

※「THE INDEPENDENTS」2017年6月号 - p4-5より