「音楽とテクノロジーで生活を豊かにする」
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【今村 泰彦k 略歴】
1975年12月7日生まれ。日大三高出身。早稲田大学第一文学部卒業。音楽業界、ワーナーミュージック・ジャパンにてオンライン音楽配信事業開発に11年間従事。ゲーム・エンターテイメント業界マーベラスAQL(東証一部)にて執行役員新規事業開発部長に就任。2013年よりEvernoteに参加、パートナーシップマネジャーに従事したのち、VIE.STYLE株式会社を設立。地元、鎌倉で「カマコンバレー」に参加、禅寺でのハッカソン「ZenHack」などコミュニティー活動も積極的に行っている。
【VIE. STYLE㈱ 概要】
設 立:2013年8月
資本金:25,000千円
主要株主:今村泰彦、VC
所在地:神奈川県鎌倉市材木座5-10-14
事業内容:音楽関連IoT製品の企画・開発・販売
<起業家インタビュー>
VIE. STYLE㈱ 今村 泰彦 氏
「音楽とテクノロジーで生活を豊かにする」
Pain-freeでSociableなヘッドフォンで革命を起こし、
スモールサイズでの世界展開を目指すニュータイプの起業家。
■ ミュージシャンでのメジャーデビュー経験から上場会社執行役員、シリコンバレーIT企業での就業経験まで多彩な職歴をお持ちです。
20代の頃はレコード会社でデジタル関連の仕事をしながら、夜はトミー・キャンベルという著名なドラマーの付き人をしていました。本気でプロのジャズドラマーを目指していました。上場会社の執行役員をした経験もあります。2013年から勤めていたEvernoteでシリコンバレーの空気に触れたことがきっかけで起業しました。■ 長時間装着しても痛くならないヘッドフォン「VIE SHAIR(ヴィー・シェア」を開発しました。
「VIE SHAIR(ヴィー・シェア)」は、メガネなどに使われる柔軟で丈夫な特殊樹脂を使用し、人体に合わせて3Dデザインした“エアーフレーム”により、本体が耳に触れないで音楽を楽しめます。装着時のストレスが少なく、長時間つけても痛みが発生しない世界初のワイヤレス・エアー・ヘッドフォンです。■ 通常のヘッドフォンとは違う使い方ができます。
音楽を無線共有する“オン・エアー機能”を搭載しており、ヘッドフォン同士で何台でも音楽を共有することができます。上司や同僚、電話の音が聞こえるので、オフィスで使用していてもコミュニケーションに支障をきたすことはありません。■ 開発資金はクラウドファンディングで集めました。
2016年4月に、アメリカの「Kickstarter(キックスターター)」で$175,112(約2,000万円)、日本の「Makuake(マクアケ)」で\26,779,500を調達しました。クラウドファンディングは、資金調達以外にもメリットがありました。集合知として審査しえもらえるし、製品の良し悪しなどの反応がストレートに返ってくるので、大変参考になりました。クラウドファンディングでは約1,800台が売れました。現在はアマゾンが提供するスタートアップ製品専用サイト「Launchpad(ローンチパッド)」にて販売中です。■ 生産はYAMAHAが行っています。少ないロットでよくやってくれましたね。
ロットが2,000台と少なかったので交渉は苦労しましたが、YAMAHAは楽器用のスピーカーフォンを作りたいという意向があったので、最終的にはOEM生産を受けてくれました。このタイミングで特許も1件取得しました。大企業は1つのプロジェクトにかかわる人間が多すぎてスピード感に欠け、固定費や間接費も高すぎますが、これからはもっと効率的に作れると思います。■ 次なる事業展開を教えてください。
イヤフォンでバイオデータを集めて、ヘルスケアやメンタルケア用に開発してみたいと思っています。センサーやモジュール、OSの開発は外部に任せて、当社はプロデューサーとして最終製品にまとめあげていきます。重要なのは、モノを作れるかということではなく、そのビジネスが「スケーラブル」で「サスティナブル」であるかということです。■ ベンチャーキャピタルから出資も受けました。
創業時は出資を受けるつもりはなかったのですが、ヘッドフォンを2,000個売っただけでは満足できないし、ハードウェアの開発を進める上でも資本増強は必要と思い、昨年12月にベンチャーキャピタルから20百万円の出資を受けました。出資のタイミングで合同会社から株式会社へ変更しました。■ 本日はありがとうございました。最後に今後のビジョンについて教えてください。
5年以内に1,000億円規模のグローバル企業を目指します。日本を拠点に世界各地で数千人の雇用を生み、新時代を代表する上場企業となることを目標としています。従来のヒエラルキー型の大組織ではなく、専門性のある個人が集まる、自由かつフラットで、流動性と自己責任能力に基づいた少人数のプロジェクトの集合体を目指します。※「THE INDEPENDENTS」2017年4月号 - p4-5より