「インデペンデンツクラブ×ＮＥＤＯ」

【開催レポート】

日　時：2016年9月23日（金） 17時00分～21時00分
会　場：NEDOインキュベーションセンター
共　催：国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）
協　賛：弁護士法人内田･鮫島法律事務所、三優監査法人
後　援：日本ベンチャー学会、日本ニュービジネス協議会連合会、日本ベンチャーキャピタル協会、オープンイノベーション協議会

9月23日（金）NEDOインキュベーションセンターにて、インデペンデンツクラブを国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）と共催しました。

パネルディスカッションでは、「技術ベンチャーグローバル化時代へ」をテーマに、（株）日立製作所社長などを歴任され2011年よりNEDO理事長に就任した古川一夫氏、技術ベンチャーを中心に知財戦略支援をおこなう弁護士法人内田・鮫島法律事務所代表弁護士の鮫島正洋氏、早稲田大学名誉教授である松田修一氏に登壇いただきました。古川氏よりNEDOの支援事業やその事例企業について、鮫島氏より知財分析の観点から見た成長できるベンチャー企業のポイントについて、松田氏より技術ベンチャーを取り巻く環境について、それぞれ解説いただいた後、技術ベンチャーがグローバルで活躍するための課題や支援策についてディスカッションしました。

第249回事業計画発表会では、NEDOの支援を受けている(株)メトセラ代表取締役野上健一氏、(株)メルティンMMI代表取締役伊藤寿美夫氏の2社が、提携先開拓などを目的に事業プレゼンをいたしました。パネリスト3名はじめ、会場参加者から活発な質疑応答がなされました。

NEDO制度紹介として、イノベーション推進部スタートアップグループの吉岡恒氏より、研究開発型ベンチャー企業等のイノベーション創出支援事業についてご紹介いただきました。

終了後の懇親会では、参加者間での積極的な意見交換が見られました。

＜第249回事業計画発表会＞

■ No.722　株式会社メトセラ

「再生医療で心機能を回復」

【事業概要】

「特定の線維芽細胞に心筋細胞の機能性を高める働きがある」ことを発見し、特許を出願。この技術を心不全の治療に活かすため、2014年1月に岩宮と野上2人でチームを結成し、2016年3月に会社設立（6月より川崎ライフイノベーションセンターに入居）。アメリカでは5人に1人が心疾患を発症し、最大の死因となっている。診断後5年以内に50%の患者が亡くなり、米国での死者数は年60万人にも及ぶにも関わらず、ダメージを受けた心臓組織の機能性を回復させる治療法は未だ確立されていない。また、重症心不全の治療法となる心臓移植はコスト・リスクが高く、代替可能な治療法の確立が急務である。メトセラでは培養した線維芽細胞を活用した心不全の治療法を模索しており、現在は動物実験を行っている。細胞の生産や臨床試験対応など取り組むべき課題は多数あるが、再生医療を活用した新たな治療法の確立に向けて研究開発に取り組んでいく。

【会社概要】

設　立　：2016年9月22日
資本金　：8,500千円（株主：経営陣、NEDO認定VC）
所在地　：山形県鶴岡市　　研究開発拠点：川崎ライフイノベーションセンター
事業内容：再生医療関連製品の研究開発

■ No.723　株式会社メルティンMMI

「障害者・健常者の人体のバリアを取り除く筋電センサー」

【事業概要】

電気通信大学知能機械工学専攻の横井教授の研究成果である「次世代型高機能筋電義手」の実用化に向けて設立された電通大学発ベンチャー。コア技術である「個性適応型筋電解析」は、筋肉が収縮する際に発生する筋電（筋電位）を計測・解析する技術で、多数の筋肉により構成された、人の身体の状態の把握という領域まで踏み込むことが可能になり、フィットネス・ヘルスケアデバイスへの応用が期待される。この技術とモーターを遠隔配置した「ワイヤー干渉駆動機構」によって軽量・高速・高トルクな手指動作を実現した「多自由度ロボットハンド」をベースに、人と機械を繋ぐBMI、あらゆる物を繋ぐIoT技術を駆使して、人と機械の融合によるサイボーグ技術の確立を目標とする。2016年1月には合同会社ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルが運用する「リアルテックファンド」より出資を受けている。

【会社概要】

設　立　：2013年7月19日
資本金　：48,790千円（株主：経営陣、リアルテックファンド ほか）
所在地　：東京都渋谷区渋谷3-3-10
事業内容：筋電センサー・解析装置、ロボットハンドの製造販売

※「THE INDEPENDENTS」2016年10月号 - p12-13掲載