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「日本発、世界にイノベーションを 」

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【徳重 徹】
1970年1月23日生まれ。 九大工学部卒。
住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)にて、経営企画等の仕事に従事。
その後、米国ビジネス スクール(MBA)に留学し、シリコンバレーのインキュベーション企業の代表として IT・技術ベンチャーのハンズオン支援を実行、事業の立上げ、企業再生に実績残す。
2007年8月当社創業、代表取締役就任。
【テラドローン株式会社】
【講評】松田修一
インデペンデンツクラブ 代表理事。早稲田大学 商学博士

【事業計画発表会】

No.666 テラモーターズ株式会社(代表取締役 徳重 徹 氏)

「日本発、世界にイノベーションを 」


【松田修一講評】

徳重社長は、住友海上保険株式会社を経て、シリコンバレーのインキュベーション企業であるBusiness Café, Inc.代表として IT・技術ベンチャーのハンズオン支援を行い、日本から電動バイクでグローバルベンチャーを起こしたいと、2010年に当社を設立しました。すでに各成長過程で何回か事業プレゼンを行っていますが、今回新たな新規事業としてドローン事業の設立も発表しました。時価総額1,000億円を短期に達成するユニコーン企業を達成するにあたり、次の諸点が多くの協力者を得るには課題となります。

① 電動バイクでのアジア3国で基盤確立

車のEV化の新たな予感で、ヤマハやホンダに勝てる可能性がある電動バイクに進出しました。ローコストのため鉛電池を活用した大口受注を求めてフィリピンの3輪タクシーの国家プロジェクトに取り組みましたが、入札3社に残ったがそれ以上の進展がありませんでした。現在バングラディシュ、インド、ベトナムの3か国で、現地生産・現地ディーラーとともに、現地生産は大手企業勤務経験のあるエンジニアと毎日新たな課題が発生し、不確実な対応をこなす若手社員が運営を行っています。日本ブランドもさることながら、価格面で中国製品との競合になりますが、着実に販売台数を拡大しています。ただ、徳重社長が新事業の方に軸足を移しているので、リチウムイオン電池の低価格化や性能向上に今後どのように対応し、ブランドの浸透を図り、ユーザーを順調に増加できるか不安が残ります。

② 新事業としてのドローン事業の前提

市場が立ち上がったドローンに将来の飛躍を見出し、新規事業としてすでに子会社を設立し、測量分野へ進出をはかっています。ものづくり、空のEV、コア部品(電池、モーター、制御)が一緒ですので、相性が良いという判断です。ただし、測量分野に限定してみると、電動バイクチャネルの最終ユーザーが個人・消費者とは異なり、最終ユーザーが企業です。ドローン製造・オペレーション・解析情報提供の前提である知財戦略の明示が、営業活動を国内土木大手企業に対して行うときに必要になるとことを配慮しなければなりません。

③ ユニコーン企業の経営体制の確立

めったに姿を見せないユニコーン(一角獣)的なベンチャー企業は、非上場企業でありながら短期間に急成長し、時価総額10億ドルを超える企業を称しています。米国発のタクシー配車のウーバーをはじめ、世界に数社存在しているといわれています。日本では全くいない領域に挑戦しようとしています。ユニコーンは、ものづくり系よりもサービス系が多く、既にある既存市場に異なる手法を使って、既存市場のプラットフォーム企業となっている企業が多いといえます。現在ここに挑戦しようとしているテラモーターズは、高収益高成長を実践しなければなりません。このための総合経営体制の整備を、さらに期待します。

2016年4月4日東京インデペンデンツクラブ 東京21cクラブにて

【テラモーターズ株式会社】
設立:20104年4月1日
所在地:東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山SOUTH棟3階
資本金等:16億676万円(徳重徹、VC、個人投資家、事業会社等)
役員:(代) 徳重徹
事業内容:電動バイク・電動三輪・電動シニアカー、ドローンの開発設計販売
売上高:3,000百万円(16/3予)