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「伝統産業をウェラブルIoTに発展」

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【三寺 歩 略歴】
1977年2月7日生。京都府立城陽高校出身。2001年立命館大学経営学部卒業、松下電器産業株式会社(現・パナソニック)入社。シスコシステムズ、SAPジャパンなどを経て、2014年9月三ツ冨士繊維工業株式会社(現・ミツフジ株式会社)入社、代表取締役就任。

【ミツフジ株式会社 概要】
設 立 :1956年5月10日
資本金 :54,500千円(経営陣 ほか)
所在地 :京都府相楽郡精華町光台1-7 けいはんなプラザ
事業内容:銀メッキ導電性繊維「AGposs」およびウェラブルIoT製品の開発
従業員数:7名

No.653 ミツフジ株式会社


「伝統産業をウェラブルIoTに発展」


■ 西陣織の技術から着衣型ウェラブル開発への発展

1956年に西陣織工場としてスタートした弊社は、1980年に導電性繊維と出会い用途開発を始め、導電性ネット、テープなど次々と世に送り出しました。1992年には米国銀メッキ製造会社と独占販売契約を締結、2002年に銀メッキ繊維の総合ブランドとして”AGposs"を商標登録しています。2011年にはインドAGFLEX Technologies(P) Ltdと戦略的パートナーシップ契約を交わし、銀メッキ導電性繊維AGpossの製造委託を開始しました。2014年には関西文化学術研究都市に位置する「けいはんなプラザ」にて研究開発拠点を移転し、銀メッキ導電性繊維「AGposs®」を素材とした着衣型ウェアラブルを大学や大手企業と連携しながら開発しています。

■ 銀メッキ繊維の総合ブランド「AGposs®」

「AGposs®」とはナイロンやポリエステルの表面に銀をメッキした繊維のことです。「AGposs®」は表面が全て「銀」で覆われている、糸であって糸でない、金属であって金属でない、いわば「糸の顔をした金属」です。従来の銀練り込み繊維やフィルム状の銀糸とは異なり、銀量が圧倒的に多く、電磁波シールド、抗菌・防臭、保温・断熱、制電効果に優れています。

■ 導電性繊維市場

日本の大手企業を始め各国の繊維メーカーが開発する導電性繊維の多くはカーボンを導電成分としています。帯電防止用途で使用される多くの導電性繊維は、その体積抵抗が10l~10l(Ω・cm)ですが、AGpossの体積抵抗は10l(Ω・cm)と極めて低抵抗であり、電気的に通電するレベルの抵抗値であり、銀の特性上、人体への安全性にも優れています。

■「AGposs®」を素材としたウェアラブルIoT製品

① 皮膚非接触型センサーシャツ
学校法人北里大学医療衛生学部医療工学科 根武谷吾准教授と共に共同開発。人体に直接触れることなく、肺の換気量を測定することができる着衣型ウェアラブル端末として、第1回ウェアラブルExpoにて出展。
② てんかん発作モニタリングシステム「ニューロノート」
AGpossを生体情報を検知する電極部位に搭載し、在宅にて、てんかん発作をリアルタイムモニタリングするシステム。BioSerenity(パリ、フランス)との共同開発で、EUにおいてCEマーク(医療承認)を取得済。EU内4か国に販売済。

<コメント(内田・鮫島法律事務所 鮫島正洋)>

ベンチャー企業が狙うには100億円ぐらいの市場が規模はちょうどよい。銀は高いが加工コストは安い。課題はウェアラブル市場でのブランディング確立。取引先は大企業ばかりなので製造開発における契約内容も重要になる。

* 2016年2月15日京都インデペンデンツクラブ(けいはんなオープンイノベーションセンター)にて

ミツフジ株式会社

住所
京都府相楽郡精華町光台1-7けいはんなプラザ ラボ棟4階
代表者
代表取締役 三寺 歩
設立
1979年3月
資本金
2億400万円
従業員数
23名
事業内容
銀めっき導電性繊維AGposs®(導電性繊維を用いたウェアラブルIoTトータルソリュ ーション事業)
URL
https://www.mitsufuji.co.jp/