「「事業計画の核心」」
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■ 使用目的を明確にする
事業計画の使用目的は、【1】経営管理、【2】IPO、【3】M&A(バリュエーション)向けの3つに大別されます。事業計画を使用する目的別に応じて記載内容(項目)に厚みと変化をつけ、引き締まったボリュームにすることが重要です。そして①経営理念・VISION②環境分析③目標・戦略④アクションプラン⑤利益計画⑥財務計画というすべての項目を有機的に結びつけます。どれか一つでも欠けると体を成さず、整合性が取れないものとなってしまいます。【1】経営管理(社内統制、新規事業、銀行融資、再生計画)
予算管理などを導入、あるいは新規事業への進出を検討する際には、会社の持つ価値観や強み・弱みを確認し、真なる課題をつかみ、場当たり的な経営になることを回避します。銀行からの借入を行う際に提出する事業計画には、返済可能性が重視されるため資金繰り計画までブレークダウンされることが重要で、計数計画だけではなく会社の方針と客観的な分析を入れることが必要となります。再生計画では、金融機関や取引先等の債権者に納得される計画が必要となります。そのために、既存の経営資源と事業の状況を正確につかみ、将来の事業回復に向けたアクションプランを練る必要があります。【2】IPO(資本政策、上場審査、対投資家(IR))
IPOを目指す企業にとっては、企業の成長過程において、資本の調達は重要な経営判断となります。資本政策の中で、事業計画は適正な将来情報を提供することにより正しい企業価値の判断を仰ぐ必要があります。IPO(上場審査)する際には、事業の成長性が明確に伝わるとともに、正確な利益計画と的を得た環境分析が必要であり、形式だけではなく本質を捉えた事業計画が求められます。対投資家(IR)向けの事業計画においては、損益の結果のみを捉えるのではなく、どのような経営理念の中で何をしていくのかを正確におさえることが重要であり、過去と将来を結ぶ時間軸の中で企業がどうあるべきかを考えます。【3】M&A(バリュエーション)
M&Aにおいてバリューエ―ション(企業の価値)を算定する際には、収益性を正確に計っていることが重要となります。大きな金額が動くことになるため、適正な価値を認識するための客観性のある計画が求められます。■ 事業の全体像を明確にする
ビジョンは事業の全体像を明確にします。これから具体的にどのような事業を展開していくかが明確だと、将来の経営戦略のよりどころになります。事業が進展するとともに当初の事業計画で想定していた状況は刻々と変化していくことは珍しくありません。この点、ビジョンがあれば現状とどの程度のギャップが生じているか確認できその対応策も検討することが可能となります。またステークホルダーへの意思表示を行うためにもビジョンは必要です。1.社員(メンバー)への意思表示および目標の共有化
人は賃金を得るためだけに労働力を提供するわけではなく、その会社や事業を自己実現の場として捉えています。この点、一人ひとりの力を一つの方向に向けるためにもビジョンは重要となります。2.顧客、取引先への教育効果
ビジョンをベースとして一貫した商品・サービスを提供することにより、会社(事業)へのイメージの浸透、及び理解が深まる効果があります。その結果、継続的な取引等の効果に繋がります。3.投資家、銀行、株主への投資判断基準
目指す姿が明確な会社(事業)ほど、その成功の可能性の判断が明瞭となります。この点、投資の判断基準としてビジョンが重要なポイントとなります。また、金銭的な見返り以外に、社会的な貢献や、技術の進展といった効果が投資判断に影響を与える可能性もあります。*2015年11月25日静岡インデペンデンツクラブ@CSA貸会議室(静岡)