「茶業界の風雲児による「持続可能な経営戦略」」
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株式会社大井川茶園
代表取締役社長 雪嶋 直通さん
1958年藤枝市生まれ。忠実屋(後にダイエーと合併)にて商品部バイヤー、海外商品開発部門・販促部門責任者を歴任後、マキヤにて商品部長・営業部長を努め上場会社の意思決定に携わる。1999年当社設立。現在、藤枝MYFCのオフィシャルスポンサー。
住所:静岡県焼津市上新田685-1 TEL:054-631-5050
設立:1999年10月1日 資本金:2,000万円 従業員数:40名
事業内容:日本茶製造販売、その他茶関連商品の製造販売
http://www.ooigawachaen.co.jp/
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―成長戦略のベースとなる3つの体制高品質のお茶を手軽な価格で提供できる体制が挙げられます。茶葉の品質にこだわるだけでなく、一般的には複雑な流通経路をたどるのを、当社では生茶から販売までの前工程を自社工場内で行える一貫体制を業界で初めて導入しました。2つ目に製造・流通のトレーサビリティを確保した安心・安全の体制です。特に昨年は放射能測定器も業界内でいち早く導入し、全ロットについてタイムリーに開示してきました。
もう一つはデータに基づいた積極的な販売支援・商品企画の体制です。消費者の声やマーケットデータを集積し、市場に合った商品開発・提案を行うことはもちろん、継続的な販売状況分析により販売支援や商品設計まで取り組んでいます。例えば、食品業界で言うと、コンビニの売上は3.11以降ずっとアップトレンドを維持しています。一方、量販店は3.11以降、特需があったものの秋以降はダウントレンドになっています。これは消費者のライフスタイルの変化を意味します。売る側が市場を決めるのではなく、リテールが市場を決める。要は、質の高い情報をより多く仕入れ、分析検証し、トレンドを見極める力が不可欠であり、それを生産や販売支援に活用しているのが当社の強みだと考えています。これらの取り組みは、全て顧客視点に起因しています。市場全体が縮小傾向にある茶業界に不足しているのは、この顧客視点に立った戦略だと思います。特に、2010年の凍霜害、2011年の震災・原発の影響といった未曾有の難局に打ち勝つには、会社の財産、商品の安全を絶対守るという強固な信念と自責の覚悟こそが我々の業界自体に問われているのではないでしょうか。
―持続可能な経営戦略
会社の最大の財産は社員です。いくら私が戦略を掲げても、社員によるボトムアップなしでは会社の成長は成し遂げられません。そのためには、社員一人ひとりが自己責任・自己完結を常に意識し、個々にレベルアップを図るチームであることが重要だと考えrます。そういう従業員を多く輩出できる会社は、モチベーションも高く、多くのイノベーションを生み出すはずです。私がその環境を作り、社員たちは自己完結できる責任ある活動をハイスピードで実行することで、「全社員幸福会社」という究極の目標に邁進していきたいと考えています。ハイスピードにこだわるのは、万一失敗しても軌道修正もいち早くできるためです。そして、ハイスピードで執行できる体制を常に備えている事が重要で、備えこそレベルアップの基本と考えているからです。さらに、コンプライアンス遵守とCSRへの取り組みは当然のこととして言うに及びません。このようにして、それぞれが人間性に磨きをかけて、単なる拡大路線ではなく、長期ビジョンで次世代以降も質の伴った内容ある拡大路線を走る「持続可能な経営」を標榜していきます。
―今後の展開
団塊世代が60歳を超えて日本茶を飲むシーンが増えているという話もあるように、今後人口のボリュームが増える高齢化社会への繰り返しの販促に注力していきます。次に、日本の中でもあまり日本茶を飲まない西日本市場への展開も重要視しています。そして海外展開。放射能解禁のあかつきには大きな市場性が期待でき、今の段階から土壌作りを進めています。これら3つが戦略のポイントについてハイスピードで取り組み、中長期計画のスローガンである「勝」を勝ち取りたいと思っています。
推薦者のコメント(株式会社チェンジマスターズ 法貴 礼子)
2011年の製茶業界は放射能問題もあり、軒並みダウンしているにもかかわらず、大井川茶園は機敏な判断と方向転換でプラスに推移している数少ない企業です。雪嶋社長は前職以前のバイヤー等の経験や実績を活かし、市場データから自社を競争優位にポジショニングしています。経営戦略と社員の実践が両輪で伴っている何よりの証として、社員1人当たりの付加価値も非常に高くなっています。
※全文は「THE INDEPENDENTS」2012年1月号 - p46にてご覧いただけます