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「㈱トヨコー「レーザー塗膜除去装置の知財開発戦略」」

公開

<聞き手(右)>
弁護士法人内田・鮫島法律事務所
代表弁護士 鮫島 正洋さん
1985年3月東京工業大学金属工学科卒業。1985年4月藤倉電線(株)(現・フジクラ)入社~電線材料の開発等に従事。1992年3月日本アイ・ビー・エム(株)~知的財産マネジメントに従事。2004年7月内田・鮫島法律事務所開設~現在に至る。

<話し手(左)>
株式会社トヨコー
代表取締役 豊澤 一晃さん
1976年9月3日生まれ。1996年4月株式会社ジャパンアートプランニングセンター入社。2000年3月デザイン会社設立。2003年7月当社取締役(常勤)就任。2014年5月当社代表取締役就任。

株式会社トヨコー 会社概要>
設 立:1996年3月1日
資本金:60,000千円(経営陣等)
所在地:静岡県富士市青島町39番地
事業内容:レーザー塗膜除去装置の開発
URL:http://www.toyokoh.com/

鮫島正洋の知財インタビュー

レーザー塗膜除去装置の知財開発戦略


鮫島:レーザーを用いた塗膜除去装置に関して、5件以上の特許を出願済みであり、現段階ではコア特許を1件取得されています。
豊澤:工場屋根塗装の防水・断熱・補強を行う蘇生工法が創業以来の主力事業ですが、橋梁補修市場の大きさに注目して、光産業創成大学院大学(浜松)とレーザー塗膜除去装置を共同開発しました。橋梁など屋外環境において、塗装剥離や錆除去がハンディ型の装置でできるのが特徴です。

鮫島:開発時点から特許取得を考えていたのですか。
豊澤:技術の核は吸引型のレーザーヘッドにあります。しかしモノづくりにおいてはコピーされる危険は常にあるので、無防備で市場に出す訳にはいきません。

鮫島:コア技術は広い範囲で特許を取得し、周辺技術も特許を押さえると効果的です。
豊澤:集塵一体型で軽量かつ堅牢性もあるという特徴があり、建設現場のニーズを捉えています。中小企業でも技術の裏付けがあれば、上場企業との取引も十分に可能です。特許も商売に繋がらなければ取得する意味がありません。

鮫島:技術が市場に出てからの特許取得は至難の業です。
豊澤:当社はネクスコ中日本や中部電力などと共同研究開発を行っています。

鮫島:大企業との共同研究開発においては、開発契約をどのように結ぶかはとても重要な点です。
豊澤:その点では、抜け穴のない強い特許を持てたと思っています。

鮫島:レーザー塗膜除去市場を今後どのように広げていきますか。
豊澤:補修が必要な橋梁は15万程あります。まずはこの橋梁市場向けに国、自治体、高速道路会社等に広げていきます。次に原子力の除染市場、さらに製造業の表面処理工程にも応用していける可能性があります。

鮫島:ビジネスモデルはどのように考えていますか。
豊澤:新しい工法なので当社自身が請負工事を行いながら市場開拓していき、その後はレーザー装置の販売やレンタルへと高収益モデルにシフトしていきます。
鮫島:その場合における知財戦略のポイントは、市場から新しい技術課題を得たら、開発して、これを特許化するというマーケティング→技術開発→特許化という連鎖を実行することです。

<8月24日インデペンデンツクラブ×内田・鮫島法律事務所 開催>

8月24日(月)18時より、内田・鮫島法律事務所様と共催で「インデペンデンツクラブ×内田・鮫島法律事務所」をおこないます。
本イベントは同事務所のクライアント企業による事業計画発表会、およびテクノロジーベンチャーによるスピーチを予定しております。
参加申込はこちらからお願い申し上げます。

株式会社トヨコー

住所
静岡県富士市青島町39
代表者
設立
1996年3月
資本金
876百万円(資本準備金・その他資本剰余金を含む)
従業員数
事業内容
レーザー装置を用いた塗装・錆・有害物質等を除去するクリーニング事業
URL
http://toyokoh.com/