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「無名の若者の創業期に投資し、成長を支援する」

公開

<話し手>
PE&HR株式会社
代表取締役 山本亮二郎さん
1968年7月生。多摩高校出身。早稲田大学第二文学部社会専修卒業。株式会社インテリジェンス、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社等を経て、2003年5月PE&HR株式会社を設立、代表取締役就任。ピクスタ株式会社、ブルータグ株式会社、株式会社スープアンドイノベーションの社外取締役を務める。

<PE&HR株式会社 概要>
設 立:2003年5月20日
資本金:78,250,000円(資本準備金含む)
所在地:東京都千代田区麹町1-12-12 4F
URL:http://www.pehr.jp/

<聞き手>
株式会社インディペンデンツ
代表取締役 國本 行彦

<VC対談>

無名の若者の創業期に投資し、成長を支援する


國本:独立系VCであるPE&HR社は、2004年5月以降累計で4本のファンドを設立しています。10年でワンサイクルのVC業態にあって、継続してファンド運営ができているのは投資先や出資者から高い評価を得ているからだと思います。
山本:組み入れが完了している3本のファンドのうち2つについては現時点で2倍以上、残り1つも元本以上の売却額となり、5倍程度になるファンドも出そうです。上場は4社あり(1社は交換)、今年は株式会社ALBERTが2月に、株式会社ショーケース・ティービーが3月に東証マザーズへ上場し、それぞれ取得価格に対して15倍以上、22倍以上で売却できました。上場以外では、2〜10倍で8度の売却実績があります。今後1~2年のうちに、スタートアップで投資した先があと2~3社上場する見通しで、個人としては次が10社目の上場となります。

國本:無名の若者、スタートアップ企業に投資するという方針を設立時に掲げ、それを実践し続けています。
山本:「無名の」という意味をひとことで言えば、その人のトラックレコードは重視しないということ。実績ある経営者やIPOの可能性が見え始めた企業ではなく、無名の若者によるゼロの地点への投資に強いこだわりを持っています。それはロマンであると同時に社会性が高いソーシャルな投資でもあります。勿論、それが変化率の最も大きな、高いパフォーマンスを実現する投資になると考えています。
多くの優れた起業家との出会いに恵まれましたが、もう一つ、12年前に無名で実績もないマンションベンチャーだった当社に、株主として、あるいはファンドへの出資をしてくれた方々がいます。それがなければ、当社も投資先もありませんでした。この感謝の気持ちを持ち続け、経営リソースをもっと充実させ、今後も無名の若者の創業期への投資を続けます。

國本:会社設立時から「Private Equity & Human Resource」をコンセプトに、投資事業だけでなく人材事業も経営の柱に位置づけしています。
山本:起業家とお金を結びつけるのは人です。つまり自社のメンバーです。一方、ベンチャー企業の成功において、人材の採用は極めて重要です。 しかし十分な信用、実績、知名度がない時期、つまりアーリーステージでの採用は困難を極め、その中でいかに優秀な人材を採用できるかは、その後の成長を大きく左右します。そこで投資先を発掘するだけではなく、自社の役職員が一定期間投資先の実務も担うというスタイルで成長支援をしてきました。うまくいかないことも少なくありませんでしたが、設立時からやり続けてきたことが漸く実を結びつつあります。起業家、投資家と同じくらい、彼らにも感謝しています。
國本:スープ店FC事業が3つ目の事業の柱として大きく成長しています。
山本:2年半前に「ベリーベリースープ」のフランチャイズ本部である株式会社スープアンドイノベーション(長野県本社、資本金20百万円)を子会社にしました。投資時には10店ありませんでしたが、社長の室賀さんと社員皆の活躍により、近く40店を超えるまでになっています。美容と健康をサポートする「食べるスープ」をコンセプトに収益力も高く、都市部は勿論のこと、人口が非常に少ない地方都市での成功も多く、今後もFC店を広げていきます。

國本:「無名の若者の創業期への投資」に加え、新たな理念として「全ての独立する人のために」を掲げました。
山本:創業直後からファンドの投資を受け、高い成長を掲げ、上場を目指す起業家とのみ関わってきた訳ですが、考えてみるとそれはほんの一握りの人たちです。本来個人の独立は、もっと多様で、もっと頻繁に、全国の津々浦々で、今も昔も日常的に起きていることです。ファンドを通じた上場支援では反復継続的に成果を上げられることを証明しました。今後はそれと同時に、もっと多くの独立開業に関わりたいと考えています。その一つの解が、フランチャイズ本部を通じて個人の独立を成功に導くことです。ベリーベリースープだけでなく、これからいくつものFC本部をグループにしていくつもりです。

國本:最後に貴社の事業目的である「世界最強の経営者集団を作る」に向けての抱負を教えてください。
山本:起業ファンドで投資するIPO支援とあわせ、当面10のFC本部、または個人の独立を促す事業をグループにするつもりです。そのプラットフォーム作りが私の重要な役割の1つと考えており、そして私自身も含めた10人の社長とそれぞれの会社の役員が、IPOや個人の独立開業を成功に導く。個人の独立を成功に導くためには、言うまでもなく相当な経営力がなければできません。そのような企業グループを形成していくことを、「世界最強の経営者集団を作る」という言葉で表現しています。多くの方々と手を結び、それを実現します。

<創業理念>
1. 「投資」と「人材」の融合を通じて、社会における価値創造の基盤を構築する。
2. 全ての独立する人のために。

<事業目的>
1.無名の若者の創業期に投資し、成長を支援する。
2.日本の食と農で地域を豊かに、そして世界へ。
3.世界最高水準のファンドパフォーマンスを実現する。
4.世界最強の経営者集団を作る。

<運用ファンド>
1.若手起業家のための投資事業有限責任組合(2004年5月20日設立)
2.SocialEntrepreneur投資事業有限責任組合(2006年4月24日設立)
3.関西インキュベーション投資事業有限責任組合(2007年9月28日設立)
4.SocialEntrepreneur2投資事業有限責任組合(2013年12月26日設立)

<出資者>
政府関連機関、大手銀行グループ、地方銀行(複数)、大手総合商社、上場企業(インターネット関連、通信機器関連、総合生活関連)、インキュベーター

<グループ企業>
株式会社スープアンドイノベーション http://www.soup-innovation.co.jp/
※ 当社持分比率 82.5% 店舗数 36店

<役職員数>
グループ合計 40名(アルバイト・インターン26名含む)※2014年8月時点