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「地方大学の産学連携・技術移転から地方創生を目指す」

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【坂井貴行氏・略歴】
1971年11月13日生。同志社高校出身。同志社大学文学部卒業、京都工芸繊維大学工芸科学研究科博士後期課程修了、博士(学術)。三菱自動車工業株式会社、立命館大学リエゾンオフィス(現:理工リサーチオフィス)を経て、2006年、関西TLO取締役就任。2013年、コーネル大学TLO客員研究員の後、2014年より徳島大学四国産学官連携イノベーション共同推進機構教授、四国TLO代表取締役専務に就任。京都大学産官学連携フェロー(2008-2013)、和歌山大学産官学連携フェロー(2008-2013)、九州大学知的財産本部アドバイザー(2011-2013)。内閣府・知的財産戦略本部・地域における知財活用推進タスクフォース委員(2015)。中学から高校、大学、社会人と15年間プレーするラガーマン。
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■ 四国TLOで技術移転収入を増加させる
今、四国の産学連携が変わろうとしている。四国産学官連携イノベーション共同推進機構を立ち上げ、四国地域の5国立大学(徳島大学、鳴門教育大学、香川大学、愛媛大学、高知大学)と株式会社テクノネットワーク四国(以下、「四国TLO」という。)の産学連携・技術移転組織を統合・一元化する取り組みを実施している。各機関における業務の重複を解消し、統合・一元化することで、組織の効率化とスケールメリットを発揮し、各大学の産学連携・技術移転の活動量や実績を飛躍的に向上させようという試みである。その試行的取組として、2014年度、徳島大学において産学連携・技術移転活動を実施したところ、特許権実施等収入は、1億1622万円(前年比約33倍)となり、地方大学にもまだまだたくさんのいい技術が眠っている事を証明した。また四国の地元企業にも、新事業開発に旺盛な企業は数多く存在することを発見した。

私は、関西ティー・エル・オーやコーネル大学TLOでの産学連携・技術移転実務者としての経験を活かし、徳島大学での取組を四国地域の他の国立大学に展開すると共に、地方大学の産学連携・技術移転から、新しい産業や雇用が生まれることを証明したいと考えている。地方大学の産学連携・技術移転活動が地方創生の一翼を担えるよう努めていきたい。

■ 株式会社テクノネットワーク四国(四国TLO) 概要
設 立:2001年2月15日
資本金:26,500千円
株 主:愛媛大学、徳島大学、香川大学ほか
所在地:香川県高松市丸の内2-5 ヨンデンビル4F
<経営陣>
代表取締役社長 洲之内 徹
代表取締役専務 坂井 貴行
取締役 酒井 一夫
取締役 八尋 秀典(愛媛大学 産学連携推進センター長)
取締役 合谷 祥一(香川大学 社会連携・知的財産センター長)
取締役 受田 浩之(高知大学 地域連携推進センター長)
取締役 吉良 次雄(ジェイアール四国バス(株) 代表取締役社長)



※「THE INDEPENDENTS」2015年6月号 - p11より