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「2014年の新規上場(IPO)マーケットの分析」

公開


【小原 靖明】
1985年明治大学大学院法学研究科修了。
1989年当社入社。
2000年IPO支援会社ベックワンソリューション設立、代表取締役就任。
2007年合併に伴い、当社取締役就任。
2012年3月常務取締役就任。
2014年3月専務取締役就任。

【株式会社AGSコンサルティング】
住所:東京都中央区日本橋室町1-7-1 スルガビル 7F
TEL:03-6803-6710
設立:1988年
スタッフ数:211名(公認会計士45名、税理士53名)
事業内容:MS(マネジメント・サービス)、IPO支援、M&A、事業承継 ほか
http://www.agsc.co.jp/


12月26日上場予定のMRTを含め、2014年のIPO企業数は77社(前年比23社増)となり、2009年の19社から、5年連続の増加となり、2015年もより一層の増加が予想されております。そこで、2014年のIPOマーケットの特徴について、以下の3項目に着目してご案内いたします。

①初値上昇率
2013年は、初値が公開価格を50%以上上回った会社が54社中35社(64%)に対して、2014年は、12月19日現在で上場した68社中37社(54%)と引き続き高い水準で推移しております。また、上昇率が100%を超え、初値倍増以上となった会社は、26社(38%)を数えるに至っております。

②直前期赤字企業の上場
2014年の特徴としては、直前期が赤字で、その後の成長性が期待されるベンチャー企業の上場が目立ちました。クラウドソーシングサービスのクラウドワークス、モバイルオンラインゲームの開発のgumiなど、計8社の成長企業が、上場するに至っております。

③規制の緩和
2014年3月に適用された「IPOの活性化等に向けた上場制度の見直し」による基準緩和として、上場時の財務諸表の開示を2期分(従来5期分)とし、また、内部統制報告書の提出を上場後3年間は猶予することとなり、上場準備の実務負担が大幅に軽減されることとなりました。

また、新しい市場としてのTOKYO PRO Marketは、今年3社の上場を果たし、累計9社となっております。

以上のように、IPOを取り巻く環境は資金面や上場制度の緩和の両面で環境が整いつつあり、来年以降更なる活況を期待したい状況となっております。


※「THE INDEPENDENTS」2015年1月号より