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「鶴岡バイオ戦略懇談会とはなんだったのか?」

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日経BP社 特命編集委員
宮田 満 氏

【特別セミナー(11月17日)】
『地方創生と大学発バイオベンチャー成功の条件』 ~鶴岡の奇蹟と地域Eco-System~

*大学発バイオベンチャー成功の条件(編著:大滝義博・西澤昭夫)よりindependents編集

通常、地方自治体の懇談会はとにかくさまざまな関係者を招集するため、議論を深めることはできない。
それに反して、鶴岡バイオ戦略懇談会の会員はなんと3人しかいなかった。IAB冨田勝所長、東京のバイオ専門のベンチャーキャピタルであるバイオフロンティアパートナーズの大滝義博代表取締役社長、そして当時は日経バイオテク編集長の宮田満である。
鶴岡市の関係者によれば、鶴岡バイオ戦略懇談会が少数精鋭となったのは「物事を決める会議を作りたかった」という。鶴岡市と山形県が2000年から10年間100億円もの投資を行うことを決めており、実行力のある産業化のスキームはどうしても策定する必要があった。

 2013年12月24日にはHMT社が東京証券取引所マザーズに上場、庄内地方で唯一の上場企業が誕生した。
鶴岡に第二のバイオベンチャーとして2007年に設立されたスパイバー社が、小島プレスと共同で試験工場を鶴岡のメタボロームキャンパスで稼動させ、国内外の注目を浴びるまで成長した。
まさか、鶴岡バイオ戦略懇談会で議論したレンタルラボが、インキュベータから工場までを含むバイオ産業地域、メタボロームキャンパスにまで成長することを予知することはできなかった。今後、第三、第四のバイオベンチャーの創業も期待されている。



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