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「無線通信・センサー技術融合による現場コスト削減を実現」

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株式会社アローセブン
代表取締役 鈴木 弘光さん

愛知工業大学卒業。電子機器製造会社の技術部門担当の後、1985年当社設立。大手にはできないニッチな分野での技術提供を目指す。

住所:静岡県浜松市中区上島3-27-7 TEL: 03-5830-7738
設立:1985年11月15日 資本金:4,500万円 従業員数:23名
http://www.arrow7.co.jp/

―無線応用技術をコアとする展開
1985年の会社設立以来、一貫して製造業や製造現場を中心とした市場にエレクトロニクス系の設計・製造・開発の受託開発を行ってきました。中でも、無線通信応用技術とセンサーネットワーク技術を組み合わせたソリューションをコア技術としており、受託開発はもとより自社製品を基軸とした攻めの営業展開をしています。

―無線のおもしろさ
障害物で思うように信号が届かなかったり、逆に届かないと思ったら届いたり、無線は実際の現場によって理論とは異なる伝わり方をする部分があります。理論的なことはもちろん、感覚・経験的な側面があるのが無線技術の難しい点でもあり、おもしろい点でもあります。有線では不可能なことも、無線なら通信・制御可能なことも多く、その幅広さが魅力です。

―中小企業ならではの優位性
創業以来、無線に限らず電子機器ハードウェア、組込みソフトウェアおよびシステムの受託開発型企業として幅広い実績を積んできました。無線通信によるセンサー信号伝送およびネットワークの技術をコアとしている会社はありますが、無線技術だけでなく回路設計、装置製造、システムアップまでトータルして提供できる所が数少ないのが当社の最大の強みです。大手企業が無線技術を持っていても小さな市場に対応できない分、私達は小規模技術集団ゆえの小回りの良さと蓄積した無線技術の経験こそ生き残りの道だと思っています。

―無線のメリットがある分野
業務用での無線化のメリットは、配線コスト・導入時間の削減や、回転体・移動体など配線が無理な場所への設置が可能な点などが挙げられます。既存の装置に無線通信を組み込むこともできるので、少額の投資で現場改善が可能となります。セキュリティ、温度管理、生産管理、設備等の異常管理、トレサビリティなど幅広い分野で無線を利用した管理システムを導入することが期待されます。

―建設土木・環境分野での無線システム
最近では建設土木分野や環境分野で当社製品を導入いただくケースが増えています。橋梁にひずみセンサーや加速度センサーを取り付け、振動や自動車通過を計測する例があります。また建築現場では、傾斜センサーをクレーンに取り付け転倒監視をしたり、骨組みや構造物の倒壊・崩落事故を遠隔でも監視したりと未然に痛ましい事故を防止するのに役立ちます。


推薦者のコメント(チェンジマスターズ 法貴 礼子) 無線通信応用技術をコアにしようと決めたのは、北海道の冷凍倉庫の無線システム案件を手掛けたのがきっかけだそうです。-30℃の中で作業したり、社員総出で現場に長期滞在したりと大きな苦労がありましたが、無線技術の可能性を実感できたとおっしゃっています。経験という隠れた資産を活用して戦略的に大企業と差別化を実現している点が素晴らしいですね。


※全文は「THE INDEPENDENTS」2010年12月号 - p13にてご覧いただけます