【大阪インデペンデンツ】変わるスタートアップの資金調達
<イベントレポート>
2026年6月26日 大阪インデペンデンツ
@ 大阪イノベーションハブ https://www.innovation-osaka.jp/ja/
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インデペンデンツクラブ
代表理事
松本 直人 氏
『変わるスタートアップの資金調達』
第一部の特別セッションでは、関西のスタートアップエコシステムを牽引するお二人が登壇。生態会がまとめた最新レポートや足元の資金調達環境を踏まえながら、スタートアップを取り巻く構造変化と、これから求められる成長戦略について意見を交わしました。

冷え込む資金調達環境とマクロの構造課題
西山氏は、生態会の調査をもとに関西のスタートアップを取り巻く現状を紹介しました。2022年の「スタートアップ創出元年」以降、起業家の裾野は広がったものの、全国・関西ともに資金調達額は減少傾向にあります。一方で、京都大学イノベーションキャピタル(KYOTO-iCAP)などによる大型ファンドの組成を背景に、ディープテックや大学発スタートアップには引き続き資金が集まっており、一般的なスタートアップとの間で資金供給の二極化が進んでいると説明しました。
これに対し松本氏は、足元の資金調達環境をマクロ経済の視点から解説しました。グロース市場の株価低迷によりIPO時の企業価値を算定しづらくなり、VCも投資判断を慎重化しています。その結果、未上場企業のバリエーションも低下し、新規投資が進みにくくなる「負のサイクル」が生じていると指摘。「この調整局面は今後1~2年程度続く可能性がある」との見方を示しました。


逆風を乗り越える関西独自の「商売センス」
こうした逆風下で、松本氏が関西スタートアップの強みとして挙げたのが、「商売人としての稼ぐ力」です。赤字を前提とした急成長モデルが見直される中、限られた資金でも黒字を意識しながら着実に事業を伸ばす経営姿勢が、これからは一層重要になると語りました。
顧客の目が厳しく、財布の紐も固い関西市場は、営業力や商品力を磨く絶好の鍛錬の場でもあります。この市場で支持を得られる事業であれば、他地域へ展開した際に大きく成長する可能性が高いと指摘。上場時には持続的な利益成長がより厳しく問われる時代だからこそ、足元で実利を積み重ねる関西型の経営モデルは、大きな競争力になり得ると強調しました。
「創意工夫」の時代と、多様化する「推し活」投資
今後、起業家に求められるのは「創意工夫」です。広告宣伝費や資金調達に依存した成長ではなく、限られた経営資源を最大限に活用し、知恵と工夫によって競争力を高めることが重要だと松本氏は語りました。
また、資金調達手段の多様化にも言及しました。地域の中小企業オーナーらがスタートアップを応援する「パワーエンジェル」のような動きは、単なる金融リターンを求めるVC投資とは異なり、起業家の挑戦を長期的に支える「推し活」に近い共感型の投資といえます。松本氏は、インデペンデンツクラブも、資金だけでなく知恵や人的ネットワークを提供しながら、起業家と支援者が長期的な信頼関係を築く「共感のコミュニティ」として、その役割をさらに高めていくことが重要だと締めくくりました。

※「THE INDEPENDENTS」2026年8月号 P.12より
※ イベント開催時点での情報です
